縦走・奥秩父・乾徳山~北奥千丈岳 7月16日~18日。
いよいよ、2泊3日の奥秩父への縦走だ。
先ず天気が心配、破線ルートも含むので、その辺はどうか、始めてに近いテント泊は・・・・。
など、不安材料てんこ盛りそして期待もてんこ盛り、でもこれが登山だ。
と気分は上々、いろいろ準備に追われる。
始めてのドライ・フーズや追加のガスなどを買い込み準備したが、心配は水。
心配を講師に話すと、「途中で水をとりましょう」と講師の発言。
え?稜線上で?
なにやら秘儀「お水取り」の技があるらしい。
ますます面白くなってきた。
てな感じで、7月16日朝、自宅を出発。
塩山駅に9:00に集合、徳和へタクシーで10:00位に「乾徳山」(2031m)へ登り始める。
銀晶、金晶水で喉を潤し、最後のクサり場をよじ登り12:30分位に山頂へ。
天気曇り、展望があまりきかない雨が降りそうだ。
すぐに、西に見えるなだらかな「黒金山」(2232m)へと出発。
道の様子が変わり、倒木が道を塞ぐようになった。
あまり、歩かれていない様だ。
そのまま順調に、「黒金山」山頂へ15:00時ごろ到着。
天気やや快復ぎみ、振り返ると雲間に「乾徳山」のトンガリが見える。
今日、何処まで行くか協議。
時間も遅いので、大ダオでテント泊にし出発。
倒木ますます多し、だいぶ歩きにくくなってきた。
16:00時大ダオ(1900m)に到着。
背丈4~50センチの笹原でした。
そこには、テント用として笹が刈り込まれた場所があり、テントを張る。
こんなとこにも人の手が入っていると思うと、何故かホットした。
ひと段落して、さあ~秘儀「お水取り」です。
講師「本当は北側斜面を降りる方が早いけど、南側に徳和川へ降りる道が有るので、それを利用して水を取りましょう」と指示があり。
徳和川への笹藪(背丈位)を、カッパの上着と水容器などをもって降る。
つまずいて尻餅をつくと、人が消えてしまうぐらいな厳しい笹薮だ。
足元が全然見えない。
カッパの上着ぐらい持っていないと、何かあってビバークになったとき、凍死も考えられるそうだ。
笹薮を抜け、道からも外れ苔と樹木の樹海地帯に侵入。
降ること30分、「聴こえますか」と講師。
う~ん、よく解らないが、水音が地中2メートルの深さよりするらしい。
さらに降りると、ハッキリ「ザ~ツ」とかなりな水量の水の音が地中より聴こえてきた。
「お~!」と声が出てしまう。
水が流れている、でも音はするけど、水の姿は見えない。
石をどかそうにも、大きすぎで人力では無理、重機でも持ってこないと。
さらに5分下がると、「有りました」と講師の声。
ワクワクして駆けつけると、岩の間に水が流れているではないか、コップを岩の間に「ニュ~ット」差し入れて、飲んでみる「う~ん、冷たい美味しい水だ」、早速4~5ℓ汲む。
さあ~帰るが道が無い。
大丈夫ですか?
講師「真南に下がりましたから、真北に上がれば道は有りますよ」とのことでした。
なるほと、簡単な話しだ。
登りも難なく道を発見。
18:00時位にはテント場に戻り、夕食のしたくへ。
「お水取り」の秘儀、なんか不思議な体験をした気分だ。
この間、多数の薮蚊に遭遇、蚊が雲の様に我々の周りを飛び交い、休まる事が出来ない。
こい雲が頭の上に出来ているくらいに凄かった。
とくに刺しまくる訳では無いが、とにかく鬱陶しい。
逃げるにはテントの中に入るしかない。
食事は各自準備したものを食べる、私はドライ・フーズのリゾットを
食べた。
そこで、新しいスペシャル・メューが登場。
イグチ・スペシャルだ。
講師が歩きながら集めた、キノコ「イグチ」をラーメンの汁で味付けした、
手料理だ。
こんな、料理も縦走では出るらしい。
当然わたしは、食べないようにしていた。
同行のT君は少し食べた。
講師は、全部たいらげた。
汁全部を飲み干し、さらに頭部が赤い「滑りイグチ」まで食べて、舌がしびれるとか言って、そのまま全員で寝てしまった。
「滑りイグチ」の写真は、T君が持っている。
確かに危ない色をしている。
寝たのは19:30分位だった様に記憶している。
5:00時起床。
朝方、鹿の啼き交わす声がうるさかった。
そのまま食事とテント撤収。
その間、T君が不思議な話をした。
昨夜鹿に足を優しくかじられたらしい。
ほんとの話だ。
鹿がテントに顔を近づけ、かまれた様子を熱心に語った。
今日2日目は今回の縦走のハイライト。
いよいよ破線ルート突入です。
6:00時ごろ大ダオから、北奥千丈(2601m)へ出発。
笹薮の背丈が短いことを祈りながら、ほとんど10メートル毎の倒木の嵐を乗り越え前進。
赤布、赤テープなどは所々に有るが、講師のナビゲーション力で突破。
11:00時位に奥武蔵最高峰、北千丈岳に到着。
今日のテント泊を大弛峠とし、国師が岳(2592m)へ空身で往復。
12:00時前に大弛峠(2400m)へ。
道は整備され過ぎで、ほとんど木組みの階段になって、味気ない感じだ。
これって登山?
テント設営し、午後はお休み。
講師とT君は、見晴らし台みたいな所に行くつもりが、再び北奥千丈岳に登ってしまったらしい。
それくらい、山頂は近い。
大弛峠は、思ったよりひらけてません。
一般地図では、シャワーやトイレと有りますが、それらしき近代的なものや売店もなく、水洗でないトイレと駐車場があるばかりでした。
18:00時に小屋でオヤジに、頼み込み夕食を取る。
1500円もした。
オヤジに「乾徳山」から来たと話したところ、そのコースが一番面白いらしい。
「最近縦走してくる根性のある奴が少なくなった」と、語っていた。
少し自慢したい気分になった。
19:00時やる事ないので就寝。
2400mの夜は夏でも、寒い。
テントの中で寒さに震え風邪気味となり、くすりをのむ。
夏の縦走でも高山の夜は、冬装備が必要。
講師の話しては、山は一年中同じ服装で、冬に上に着込むのがいいらしい。
5:00時起床。
いよいよ最終3日目。
朝食テント撤収し、金峰山(2599m)へ出発。
少し風邪気味、ボーットしている。
朝日岳(2579m)を通る、天気快晴展望が素晴らしい。
富士山、南アルプス、八ヶ岳、北アルプス方面、歩いて来た北奥千丈岳など、
360度の大パノラマだ。
梅雨明けだろうと思xた。
だらだら登りで金峰山へ。
岩峰に立つ、ここも展望が素晴らしい、五丈岩に登りしばし遊ぶ。
後は、降りだけと思っていたが、金峰の降りは結構厳しい岩尾根歩きだった。
岩尾根歩きだけで、1時間ちかくかかり、神経を使う。
振り返ると、かなり厳しい山容をしていた。
大弛側と大違いだ。
その後は普通の山道がかなり続き、大日岩でボルダリングのまね、大日小屋と富士見平小屋を通って、12:00に瑞ガキ山荘に到着。
山荘で昼食をとり、今回の縦走は終了。
私にとって、新しい体験連続のお腹いっぱいの縦走でした。
学んだこと。
1:服装は夏でも冬の下着や厚手のものを持つなど寒さ対策必要。
2:水は途中で見つけられる。(技があれば)
3:テント泊は高山では寒い。
4:キノコ「イグチ」は食べても安全かも。
5:短いスボンで行ったところ、集中して虫にかまれた。
長ズボンで行こう。
POWER UPした虫達には、虫よけスプレーはきかない。
6:破線ルートなどは2万5千分の一の地図が必要。
磁石などで現在位置を確実に把握すること。
7:講師がついてると、どうしても連れて行ってもらう感覚になってしまう。
8:これが最大の収穫ですが、縦走の面白さを手に入れることが出来ました。
ブロクに始めて書き込みをしました。
みなさんに縦走の楽しさ、チョツトした厳しさが伝われば幸いです。
T君へ、「滑りイグチ」の写真を公開してください。
中村文一
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