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November 11, 2005

岩場への復帰大作戦

こんにちはスキーヤーのYosidaと申します。Timtamの会員ではないのですが、M浦さんからの依頼を受けて投稿します。よろしくお願いします。

私は11月の終わりから翌年の5月まで、各地のスキー場に出かけて行くとあるスキークラブの運営委員をしています。私達のクラブには夏になってもスキーをする人もいますが、その時期にはクライミングをする人が多くいて、私もその一人です。夏と冬でやることが違った方が面白いと思うからです。

今年の1月にポールの練習をしていたらいきなり腰が痛くて歩けないほどになってしまいました。医師の診断は「腰椎閉塞症」でした。腰椎がつぶれて椎間板が足の神経を刺激して痛くなったりしびれたりするというものです。スキーのやりすぎが原因だろうと医師も私も思っていましたが、150名(実動は60名)いる私のスキークラブの会員(内70名もSAJ指導員資格の保持者がいるんですよ)のだれも私と同じような症状になった人がいないのです。

クライミング関係の友人のKitadeさんに話したら、彼のクライミング仲間に私と同じような症状になった人が何人かいるとのことでした。激しいトライとそれにともなう衝撃的な墜落をくりかえすクライミングのビレーをするとその衝撃がビレーヤーの腰に瞬時に集中して、それで腰を痛めやすいというのです。そういえば昨年の夏場はKayさんとかYos君とかけっこう体躯の大きなクライマーのビレーをよくやっていました。彼らはルートの研究をしたり休んだりする時間をかなり長くとりながら日暮れまで飽きることなくトライを続けるパワーマンです。私は2~3本トライすると出来上がってしまってついつい大好きな昼寝をしてしまいます。目が覚めていきなりビレーした時の激しい墜落・・・、思い当たる瞬間があります。

3週間の入院と数ヶ月のリハビリとおとなしくする生活が続きました。この11月になってようやく数十分は山道が歩けて、トップロープでならクライミングが出来るまでに回復しました。たぶん5.10aくらいは登れそうなので、その辺が登りたいだろうM浦さんやKitaoさんを誘いました。バックパッカーのKitaoさんは紅一点、場をほのかに明るくするタイプの人です。さらに5.11が楽勝だけどシャイでなかなか登らないMoriさんを誘って万全を期しました。こうして、なんともやさしい雰囲気、間違ってもランジなんてしない4人のメンバーで越生の黒山鉱泉の所にある聖人岩に行くことになりました。TPOに合わせてメンバーを構成するのはスキークラブ運営委員である私にとっては得意の分野なのです。

さて、11月5日土曜日、聖人岩行の当日がやって来ました。

朝6時に流山のガンバウォール前の駐車スペースに3台の車がほとんど時間差なく到着しました。1台は私、1台はM浦氏、さらにもう1台はKitaoさんを乗せたMori氏車でした。車がついたのに気付いて出て来たガンバウォールのオーナーの渡辺さんと挨拶を交わして、2台の車をガンバの前の駐車場に置かせてもらい、渡辺さんの見送りを受けて、私の車1台で出発しました。運転は私です。助手席にM浦氏、そして後部座席にMoriさんとKitaoさんが乗っています。MoriさんとKitaoさんがなんとなくウマが会っている感じなのを見逃さない座席配置です。カーナビの行き先を黒山鉱泉にセット、自慢のスキーヤらしい切れ味鋭い運転で飛ばしました。バックパッカーのKitaoさんが自然のフィールドでのいろいろな体験をトウトツと話し、寡黙なMoriさんがいつもより多く相づちを打ちます。前の座席の二人は前だけ音を大きくしたFM放送を聞いて黙しています。

2時間かからないで黒山鉱泉に着き、東吾野に向かう峠越えの道方面に数分行った所の路肩、デリカワゴン4WDの後ろにスペースを見付けて駐車しました。デリカワゴンのリアーウインドウにM山塾と書いたステッカーを発見しました。M山塾は4年前までM浦氏が所属していたと聞いています。
「ヤバイ、M山塾が来てるから知り合いがいるかも知れない」
とM浦氏はつぶやくように言っていました。なんでヤバイのか言わないけれどMoriさんとほぼ同じくらいシャイなM浦氏だからたぶんクライミングしている姿を見られたくないのでしょう。ロープや登攀具をザックに詰めて、沢ぞいに10分ほど登り、沢から離れて急な登りをさらに10分で聖人岩につきました。聖人岩は高さ20メートル幅70メートルでわずかにオーバーハングしている石灰岩の岩場です。岩場の下一帯は8メートル×70メートルの横長の広場になっていて快適です。カチャカチャと登攀具を準備してる音がする方を見たら、M山塾の人が二人見つかりました。
「いっぱいいなくて良かった。」
とM浦氏はつぶいて、その二人に声をかけていました。

その二人が5.8のルートにとりき、もう一つの優しい5.7のルートにも先行パーティがいたので後から来た我々はウォーミングアップするやさしいルートがなくなってしまいました。Moriさんは例によって寡黙でおとなしくて、なだめないと登ってくれないので、ここはM浦氏の出番だとおだてて、岩場の真ん中にある「おっとりマミちゃん5.9(これはからい)」を登ってもらいました。ビレーは私がしました。
『M浦氏の登り方なら大丈夫』
と考えてのことでした。沢登りを得意とする彼は激しく落ちるようなことはしなくて静加重静移動のクライミングに徹しているからです。M浦氏は細かいホールドを使ってレイバックしたりしてなんとか無事にリードを終えトップロープを残してくれました。そのトップロープを利用して登らせてもらったけれど、残念ながら何回もテンションをかけてしまいました。昨年、「おっとりマミちゃん」を簡単にオンサイト出来たのに残念です。クライミングは半年も休むと休む前の二段階下のグレードがやっと登れる程度に力が落ちることを身をもって証明してしまうことになってつらいものがありました。

おだてに乗ったM浦氏のリードは続き、「ダイエットシュガー5.10a(これは甘い)」、「風の子カンテ5.10a」とトップロープを張ってもらって登りました。「風の子カンテ」ではテンションを数回繰り返して、腕の筋肉が限界になってしまいました。Moriさんはといえば、相変わらず寡黙で、私が登ってトップロープを引き抜いた後にKitaoさんの新品のロープを持って同ルートに行きKitaoさんのビレーでリードしてトップロープを残しKitaoさんを登らせていました。1日1本登るか登らないかという彼のペースはどこへ行ったのでしょう???。

我々のグループが「風の子カンテ」にいた頃、M山塾の2人が右隣の「梅ごのみ5.10b」を試登していました。試登が終わりレッドポイントする時に、Kitaoさんのロープで登ってもらいトップロープにして残してもらいました。M山塾の二人に「ありがとう」とお礼を言っても彼らはなかなかその場を離れませんでした。「梅ごのみ」のよく見えるあたりでコーヒーなんか入れてくつろいでいました。どうやらM浦氏の登りを見た後で近況報告を交換しようと思っているようでした。それで、二人の方から我々に話しかけて来たり、
「M浦さんの華麗な登りがみたい!」
なんてプレッシャーをかけたりして来ていました。M浦氏は
「加齢な登りは出来ても、華麗な登りは出来ないから」
とかなんとか答えていましたが、トップロープを張ってもらった以上登らないわけにいかなくて、「梅ごのみ」のトライを開始しました。ホールドの位置のアドバイスがM山塾の2人から飛んで、なんとか期待に応えてノーテンションで登り終えました。私は
『昔の仲間の前でノーテンションで登れて良かったね!』
と心の中でつぶやいていました。M浦氏もさわやかな笑顔でそのつぶやきが聞こえたと伝えてきました。

卓上カセットコンロのボンベが使えるガスバーナー(ちょっと大きいけど車の時はいいですよ、カートリッジが安くて、手に入りやすいから)でお餅を焼いて(餅焼き網持参)食べたり、カップラーメンを作って食べたりコーヒーを入れたり、暖かい秋の山の中でくつろいで3時に岩場を後にしました。

その足で黒山鉱泉館に行って日帰り入浴させてもらいました。私は温泉が大好きなのです。温泉を楽しむ秘訣は肩まで湯につからないことです。温泉の達人は足浴とか腰浴をしながら心がどっぷり温泉につかっている状況に出来るのです。次に、越生の「一里飴」本舗の直営売店に寄りました。そこで、車を置かせてもらっているガンバウォールへのお礼を買いました。その後ちょっと渋滞したけれど、3時間かからずに流山に戻りました。(Yosida記)

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