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April 03, 2006

陽春の雪山の話しのレジメ

2006/03/22のTimtam山の集いでのY講師の話のレジメを掲載します。
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「雪山サバイバル&陽春の雪山登山」
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1.まずは楽しい話から(陽春の雪山登山)
(1) 3つの雪山
  10月後半~12月初旬:「雪舟の山水画・黒と白」
            ~これから日も短く、寒く、雪も深く、「寂寥」
  12月中旬~2月:「雪の永平寺・白一面」
            ~本格的な雪山:「厳冬期」「自己鍛錬」「精神力」
  3月~5月中旬:「印象派の絵画・柔らかい淡青色の光」=今日のテーマ
            ~陽の光(陽春)、早春(3月):冬と春の綱引き
                        春本番(4月):春が冬を浸食
                        初夏の兆し(5月):冬の名残
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(2) 陽春の雪山(春山)の魅力
  ・広い行動範囲  冬山:深雪をラッセル・冬型で吹雪・早い日暮れ
              春山:締まった雪・南岸低気圧と移動高・日が長い
  ・開放感       冬山:雪山という巨大冷凍庫からのサバイバル
              春山:春に包囲された雪の箱庭をエンジョイ
  ・探検気分     冬山:隔絶された人跡稀な地域では命がけ
              春山:人跡稀な地域に入るチャンス・藪が埋没・水が豊富
  ・最後に       春山は行動後のビールが格別!
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(3) 陽春の山の顔は様々
  ・3月:まだまだ冬山、基本的には冬山として考えましょう
  ・4月:冬春半々、この時期にどっと雪が溶けます
  ・5月:いわゆる「残雪期」、GWがクライマックス
  ・北アルプス:(易しい)バリエーションルートからの登頂のチャンス
     例:爺ヶ岳東尾根・北穂高岳東稜・白馬岳小蓮華尾根など
  ・南アルプス:長期縦走に魅力、3月の池山吊尾根~北岳はグット
  ・八ヶ岳:登攀から縦走まで幅広い、八ヶ岳東面が(個人的)好み
        サラリーマンの味方(1泊2日が基本)
    例:真教寺尾根、そまぞえ尾根、県堺尾根、天狗尾根(やや難)
  ・谷川岳:難しいルート(一の倉沢など)はやめて、楽しむことがお奨め
    例:天神尾根、西黒尾根、タカマタギ、白毛門、蓬峠~朝日岳
  ・まだまだあります(行く所が多すぎるのが登山の悩み)
    例:越後・上信越・日光・尾瀬・奥秩父・(雪が降れば)丹沢・奥多摩
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2.楽しくても危険がたくさん
(1) 遭難要因
  ・転倒滑落→溶けた雪がアイスバーンに、春ゆえの心の緩み
        :アイゼンワーク・ピッケルワークの確認・滑落停止(春の雪訓)
        :スタンディングアックスビレイの習得(春の雪訓)
  ・天候判断ミス→春だから大丈夫だろう→擬似晴天に惑わされ遭難
        :天気図の習得(四季にかかわらず)、天気予報を見る習慣
  ・疲労凍死:春の雪は水分を含み重い→気温が下がり凍結
        :防水処理を怠らないこと、行動には余裕を、軽量化
  ・雪崩埋没:凍った後の新雪は要注意、春が深まれば底雪崩
         :埋まったら生存確率僅少(埋没体験による恐怖感体得必要)
         :雪崩ビーコンの操作の習熟(春の雪訓の必須科目)
         :地形を見る目、危ない谷は早朝に「駆け抜ける」 
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(2) 死なないために
  ・死亡事故=登山という趣味を失うこと・再試合の無いゲームセット
  ・仲間を作って情報交換→判断力は相互作用で磨かれます
  ・家族・周囲の理解→家族とのコミュニケーション不足はトラブルの素
  ・ステップバイステップ→焦りは遭難の卵、もはや「記録の時代」では                  ありません(登山年齢が伸びています)、「たかが趣味・されど趣味」
  ・簡単な雪山のリーダーをやりましょう:責任感・応用ステップ
  ・「総合戦略を駆使して困難を乗り越える=雪山の醍醐味」・「リスクを見る冷徹なもう一人の自分」・「雪山遭難ほどバカバカしい死に方はないという自覚」→精神と肉体を駆使したハイレベルな知的ゲーム  
                                  (終わり) 

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