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April 19, 2006

土合駅と谷川岳西黒尾根

上越線の土合駅は不思議な駅です。その駅の利用者のほとんどが登山者かハイカーか土合駅そのもの(日本一のモグラ駅)の観光客です。通勤で利用している人はたぶんいません。登山をする人達は前夜のうちにやって来て駅舎の中の切符売り場の前とかに銀マットを引き、酒盛りをして、出来上がった人からら三々五々シラフにもぐって寝てしまいます。駅を好条件(水道、トイレ、屋根付)のキャンプ場として利用しているのです。そのような駅の利用の方法を『ステーションビバーク』と呼んでいます。
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4月1日(土)晴れ
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14時にマイカー(軽自動車)で東京を出発した我々3人でした。水上のインターを出て、土合方面に向かいバス道路に出た所にコンビニがあります。そこで、お酒や食料を仕入れて、水上駅を右に、湯桧曽駅を左に見送り21時に土合駅に着きました。4月2日が雨の予報だったからでしょうか、駅舎内に登山者の姿がありませんでした。駅舎に入ると畳が50枚ほど引けるホールがあってその正面に改札口、右が切符売り場、左に待合室、待合室の左がトイレ(トイレには一度外に出てからでないと行けません)になっています。
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『ラッキー』とか思って、切符売り場の前に陣取ろうと思ったら、待合室から古い友人のFMさんが出て来ました。FMさんは彼女の夫さんと共に『M&M倶楽部』という登山教室をやっています。それで、なんと待合室内にテントを2つ張ってお客さん5名をを泊まらせていました。明日は白毛門山に行くのだそうです。FMさんの勧めに従ってぼくらはより居心地の良い待合室に銀マットを広げました。そうこうしているうちに下りの電車が着いて、我々の仲間が4人加わりました。我々のメンバーは総勢7名です。さらに3人登山者がやって来て(車で来たらしい)切符売り場の前に陣取りました。翌朝になってその3人の内2人は知り合い(山岳会『ノマド』のメンバー)でした。不特定多数の人達で溢れるはずのこの時期の土合駅は総勢17名、知り合ばかり、不思議な状態???でした。
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4時30分に起床するのでチョット宴会してシラフにもぐり込みました。いつものようにいる酒癖の悪い山岳会がいなかっとので、とても静か、寝たと思ったら朝が来る感じで良く眠ました。
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4月2日(日)雨
起きて外に出たら、本降りの雨でした。もしこれが個人山行なら、すぐに出発せずうだうだと様子を見ていたかも知れませんが、講習会なのでそうも行きません。
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6時出発、アスファルト道を谷川岳登山指導センターまで行き、衣類調節タイムを取りました。雪山では大汗はかきたくないので、コマメに衣類調節タイムをとったのです。登山指導センターのすぐ裏から急斜面を直登して西黒尾根をとらえました。1時間ほどで、鉄塔の所の広場に着きました。本降りの雨は続いていますが、メンバーみんな行く気まんまん
「行ける所まで行きましょう」
とか言い合っています。
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鉄塔のすぐ上の所に雪庇が出来ていました。尾根の右とか左とかに張り出してるのでなくて尾根に直角の方向に進路をふさいでいました。左に回り込んで雪庇を回避して、がんがん進みました。足下の雪がかたくしまり斜度も急になってきたのでアイゼンをはきました。スノーシャットがついていないアイゼンの人は数歩行くと雪の団子がアイゼンの爪の間に挟まってしまい歩きづらそうでした。アイゼンをはくころに雨は上がりましたが雨雲が上空から消えることはありませんでした。
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登り始めて2時間30分、ガンゴウ新道とのジャンクション手前のピークの直下まで来ました。そこは、高さは5メートルもないのですが40度弱の急斜面になっていました。リーダーは同じ場所を何度も踏み込んで、ステップを大きくしながら登りました。後続のぼくらは別に不安なくその斜面を登り切ってしまいました。リーダーは堅い雪の上に乗った1センチほどのグズグズの雪によってアイゼンの効きが悪くなり滑落が起こる可能性を感じていたようです。もっともこの場所で滑ってもマチガ沢側に50メートルほど落ちて木に引っかかって止まります(これより上の場所だったら50メートルではすまないですが)。
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ピークに出て見上げれば、頂上に向かって雪の急斜面が伸び上がっています。雪の量は平年よりはるかに多いようです。雪の重みでズレて生じた亀裂が何本も走っていてそれが尾根上を横切っています。
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ジャンクション手前のピークから20メートルほどはナイフリッジになっていてその偵察に行ったリーダーが戻って来ました。
「ここから、撤退します。これ以上先に行くと、引き返すことが出来なくなります。」
リーダーはサブリーダーやスタッフの意見を求めることもなくシビアに言い切りました。
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ピーク近くにあったしっかりした灌木(ここから上は灌木は雪の上に出ていない)を支点にしてロープをフィックスしてそれをたよりにワンピッチ下り、続く緩斜面は楽勝に下り、樹林が濃くなった所でアイゼンをはずしシリセードを交えて一気に下り、土合駅着は12時でした。
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行きと同じ3人は車で帰りました。関越道の赤城インターのあたりでまた本降りの雨となりました。(J記)

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