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January 23, 2007

「青葉の岩場」に行こう!

NHKの教育テレビの番組に「人間家族」というのがありました(今もあるかも知れません)。山に登る家族を紹介するということで僕と僕の長女(当時小学5年生)が出演しました。1990年のことでした。丹沢の畦ヶ丸に登り、中川温泉に泊まって帰るという内容の15分の番組でした。たった15分の番組でも、撮影やら打ち合わせやら実際の登山やらで僕だけでも2日とちょっとの時間が費やされました。テレビ番組を作るって大変なんです。

その番組の司会をしてくれたのはシンガーソングライターの佐藤宗之さんです。佐藤宗之さんといえば「青葉城恋歌」<注1>です。1979年のヒット曲です。・・・①

中学生の合唱曲に「青葉の歌」<注2>というのがあって、ぼくはこの曲に1992年と1998年の二回(一日20分×約二ヶ月/回))つきあったことがありました。・・・②

①と②の理由で僕は「青葉の○○」という言葉に敏感に反応する人になっていたのです。

2000年11月に「日本100岩場(北海道・東北)」<注3>というガイドブックを本屋で見つけました。北海道や東北に行ってまで岩を登るのかな?という思いはあったのですが、吉田和正という北海道のクライマーに一度だけ会ったことのある僕は、彼の登る岩場にかすかに興味があってその本を手に取って目次を開きました。すぐに「青葉」の文字が飛び込みました。
「福島いわき・青葉の岩場」・・・僕はその週のうちに偵察に出かけました。
偵察の結果は以下(1)~(14)のようなもので冬に岩登りをする場として花丸でした。

(1)常磐道のいわき湯元インターから近く、湯元の駅から歩いて30分の所にときわ台公園という大きな公園があって、その公園の北西側の山に踏み跡たどって登ること10分の所に青葉の岩場はあります。
(2)幅200メートルほど細長いエリアに高さ10メートル幅20メートルほどの小エリアが6ヶ所ぐらいあります。
(3)バトミントンコートを縦に二面並べたくらいの広場がそれぞれの小エリアにあってそこから良好な展望が開けています(湯元の街と海が見えます)。
(4)地形の関係で風が弱く、晴れれば1月でも汗ばむくらいに暖かいです。
(5)クライマーの多くの目が神奈川や伊豆の岩場に向いているのですいています(混雑しません)。
(6)様々な難度のルートが開拓者達の手によって整備され丁寧に保守されています。
(7)岩場の角度も超前傾から緩斜面まで様々です。
(8)5.10アンダーのルートが初心者がリードできるように整備されているのは出色です。ボルトの間隔が短く終了点がしっかり作られているのです。5.5のルートに1.5m間隔でハンガーボルトが打たれているなんていう岩場は他に例がありません。
(9)神奈川の鷹取山と同じか少し硬い砂岩で出来ているので、ホールドが削れてルートの性質が変わることがあるのが難点です。
(10)10メートルほどの高さしかないルートが多いので登っている人に下からアドバイスの声をかけやすいです。
(11)駅への帰り道の途中に公共の温泉「さはこの湯」(入浴料は200円、他にも800円くらいで日帰り入浴の出来る施設有り)があります。
(12)JR常磐線、上野発7:00スーパーひたちを使えば9:10分に湯元駅に到着するので日帰りは十分可能です。
(13)マイカー分乗で行くのがベストです。常磐高速を利用するので帰りに渋滞する心配が少ないです。岩場の入り口のときわ台公園には駐車場があります。
(14)トイレと水はありませんが駐車場にテント泊も出来るでしょう(テント泊は未偵察)。

偵察で花丸でも、すぐに「青葉の岩場」に頻繁に行くようにはなりませんでした。
城ヶ崎、城山、鷲津山、幕岩、鷹取山、天王岩、聖人岩、つづら岩、三ッ峠、東吾野、笠間、御岳、名栗、小岩井サンセットロック、権現堂の岩場、カノトの岩場・・・6年間にわたって様々な岩場に偵察に出かけました。
読者の方で岩場を見つけるのに興味ある方は権現堂の岩場を「日本百岩場(関東)」の記述を手がかりに探してみて下さい。二週間以内に見つけられたらすごい岩場捜索能力です。ちなみに、権現堂の岩場はゴーストタウンならぬ「ゴースト岩場」となっています。ハンガーボルトの支点が残っていますから登ることは出来ると思います(僕は登ってません)。

Timtamのメンバーで冬の土日祝に行くのだったら青葉がベストだと思います。今、青葉の岩場通いが始まっています。みなさん、いっしょに行きましょう。(M浦記)

<注1>青葉城恋歌一番
広瀬川流れる岸辺 思い出は帰らず
早瀬踊る光に ゆれていた君の瞳
時はめぐりまた夏が来て あの日と同じ流れの岸
瀬音ゆかしき森の都 あの人はもういない

<注2>青葉の歌一番
きらめけ青葉よ さわやかにそよげ心よ
いつかきっと こんなふうに
明るい日差しのような愛で
世界中をつなぐ日が きっとやってくる
きらめけ青葉よ さわやかにそよげ心よ

<注3>フリークライミングの波が作った百岩場
1980年代の始めころ、戸田直樹さんらが日本にフリークライミングという岩登りのやり方を紹介しました。フリークライミングに取り組めば、谷川岳、穂高岳、北岳、剣、甲斐駒、鹿島槍、といった高差六百メートルもの岸壁での初登攀のルートがほとんどない時代にあって、自分の住む街の近くにある高さ20メートル程度の岩場なのにルート開拓とそのルートのオンサイト<注4>という初登攀を目指すことが出来たのです。フリークライミングは多くの人達(登山をやらない人にも広がった)に受け入れらました。以後20年の間にたくさんのフリークライミング(ボルダリング含む)向けの岩場が開拓されて、日本国内の岩場の数は数百箇所のオーダーに膨れあがりました。
そして、今はフリークライミングの大きな波は静かに引いて、現在は岩場の開拓でなくてその整備と保守に力をそそぐ凪の時代になっているようです。

<注4>
フリークライミングにおけるオンサイトを目指す考え方は
「より高くより困難を目指し、その達成が世界最初であることが最大のステータスである」
というアルピニズムの考え方に近いものです。Timtamの日常生活の延長線上の山に行くという考え方とは異なります。

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