« 片付けは登山技術だ! | Main | 山行報告「奥多摩・鷹巣谷」 »

May 24, 2007

山の集いテーマ「沢登り」のレジメ

5月23日、恵比寿区民会館の和室を会場に「Timtam山の集い」が開催され、20名を超える参加者があり盛況でした。Y講師の語り部的な話し方は和室の雰囲気にマッチしていい感じの集会でした。以下、Y講師の話しのレジメを掲載します。
,
,
「沢登り入門」    Timtamボランティア講師 H.Y.
,
1.沢登りとは?
・ 山の頂上に行く手段の一つ
,
           ← 縦走 →
     ← ロッククライミング →
         ←     沢登り      →
  スポーツ←                    →旅・冒険
,
   *ロッククライミングの方がスポーツの要素が多く、沢登りの方が旅・冒険の要素が多い
,
・ 日本独特の形態:台湾なんかでもやっていますが、欧米にはありません
・ 旅の要素が大きい:焚き火、楽しい食事、語らい、釣り
・ 日本国中沢だらけ:ルート数は一生行っても行ききれません
・ 引退なし、年齢や社会・家庭生活に応じた楽しみ方
,
,
2.沢登りの魅力
(ロッククライミングとの比較:注 比較のためにデフォルメしています)
・考え方
岩:「より高く、より困難」
沢:「自然と仲良く共生」
,
・技術
岩:「ホップ・ステップ・ジャンプ」、「練習あるのみ」、「進学塾」
沢:「経験が大事」、「本番の中でゆるやかにレベルアップ」、「フリースクール」
,
・ 仲間
岩:「登攀技術の下手な奴は嫌いだ」、「つっけんどんな体育会調」、「グレード別」
沢:「上手、下手の定義があいまい」⇒「岩が上手くても藪が下手ならば下手、岩がまぁまぁでも微妙な悪場が抜群に強ければ上手」
,
・ リーダーの資質
岩:軍隊の隊長、モーレツサラリーマン課長=権威的・教条的
沢:経験豊かな学校の先生、牧師、和尚=民主的・宗教的
,
,
3.とは言っても技術が大事
・ 登攀技術:縦走、岩登りの基礎はできて当然→日和田の講習は必須です
・ 判断力:岩登りは「単線的」、沢登りは「複合的」→歩き・冬山・登攀などの講習に幅広く出ていますか?
・ 人間力:最後の頼りは人間力、追い詰められないこと→個人山行で判断力を磨いていますか?
・ 生活力:防水、パッキング、テントサイト、どこでも寝られる「図太さ」
,
,
4.沢登りで気をつけるべき危険
・ 滑落(スリップ)、墜落、落石で死にます、怪我でも救助が大変→経験が大事、講習会はほんの入り口
・ 溺死:案外多いです→泳げることが重要です、渡渉の重要性
・ 凍死:沢は夏でも寒いです→服装の工夫、夏でも冬用の下着が有用
・ 気象遭難:増水、鉄砲水→天気図が読めますか?
・ 虫さされ:変な虫にさされると大変→防虫ネット、防虫スプレー、あぶの出る時期の上越などは行かない方が無難
・ やけど:焚き火時に注意→酔うと危険、お酒はほどほどに
・ 切り傷:薪収集時にたまにある→のこぎりの使い方
・ 目をつつく:藪でよくあります→濃い薮にはゴーグルが役立ちます
,
,
5.ではどこに行きますか?
日帰り:丹沢(登攀的、西丹沢は特によい)、奥多摩(森の中)、奥武蔵、など
一泊:奥秩父(森の中、東沢:登攀的、北面:スケール大)、谷川、上越(秋が最適)、那須、日光、八ヶ岳(案外いいらしい)、など
夏の長期:北アルプス(明るい)、中央アルプス(急峻)、南アルプス(どっしり)
篤志家向:東北(白神、舟形、飯豊、朝日など)、会津、越後(これは難しい!)、屋久島、戸隠、北海道(ヒグマに注意)など
最近注目:台湾、沖縄、など海外
,
,
6.最後に
・ 仲間が大切(情報交換、一人では行けませんし、行ってもつまらない)
・ 生活の一部になればしめたもの
・ 沢は山の「応用問題」
・ エリート主義者、効率至上主義者、儲け至上主義者といったタイプの人には向きません(⇒自然との調和と仲間との協調が大切)。

       以 上 (コピー&ペースト by J)

| |

« 片付けは登山技術だ! | Main | 山行報告「奥多摩・鷹巣谷」 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« 片付けは登山技術だ! | Main | 山行報告「奥多摩・鷹巣谷」 »