金剛組、花王、ナベヤ
6月16日(土)に源次郎沢、6月17日(日)モミソ沢を遡行した。6月18日(月)は疲れもあって早く寝ようと思い、夜10時はふとんの中に入った。NHKのテレビがついていたから消そうと思ったら、ちょうど10時からの「NHKスペシャル」が始まったところだった。番組名は「長寿企業に学ぶ」だったと思う。知らず知らずに番組の内容に引き込まれ最後まで見てしまった。
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番組の内容は以下のとおりである。
@日本は二百年以上続く長寿企業が多くてその数は数千社、次に多いのはドイツとオランダでどちらも数百社のオーダーだからダントツ世界一、長寿企業大国である。
@長寿企業には共通した特徴がある。
・不況に強く、不況の時でも横ばいか業績を伸ばしていることが多い。
・本業に徹して、別の業種に手を出さない。
・本業に徹するがその仕事内容にわずかずつの改良を休みなく加え続けている。
・長く守りられ続けた家訓(社訓)のようなものがある。
・「損して得を取る」という考えがある。つまり経営方針に自動車のハンドルの遊びのようなものがあって、仕事がうまくいかなかったり、損をすることがあってもその後の回復のための糧とするスタンスがある。
@長寿企業の例として三社が紹介された。
・金剛組…飛鳥時代に法隆寺などの寺を建設するために中国からよんだ建築技術者集団が作った組織で、今は普通の建築会社に見えるが現存する世界最古の会社である。寺院建築の技術とその修復の技術は従業員に代々受け継がれて千四百年に渡り途絶えなかった。コンクリート寺院とかマンション建設に手を出して失敗したが、現在は木造建築(宮大工)に専念し業績を伸ばしている。
・ナベヤ…織田信長が岐阜城を建設する時に岐阜城下町に出来た鍋の製造販売のお店からスタートした。鋳物技術の高さを買われ朝廷からお墨付きをもらったこともあった。葛飾柴又の帝釈天の釣鐘はこの会社の製品である。現在は精密機械の金型を作る土台となる部品(部品名は記憶できず)のトップメーカーとなっている。この部品がないと精密機械が作れないので、ナベヤが日本の機械産業の根幹をささえていることになる。社長は世襲だが二代に一人は娘婿が社長になっていて企業体質に新しい考えを入れてきた。現在の社長も娘婿だ。現在の社長は二十八歳で社長に就任、四十憶円をかけて新工場を作ることを会長から許された。会長は新工場が失敗するはわかっていたが、会社の番頭制度(部長や専務ではない)を学ばせる機会とした。案の定新工場は失敗したのだが、番頭の力を借りてその失敗は十年を経て序所に克服されていった。現在、その新工場は会社の利益の半分以上を稼ぐに至っている。
・花王・・・明治時代に顔を洗えるほどに品質の良い石鹸ということで商品名「カオウセッケン」を売り出して創業した。化粧品、洗剤、健康飲料などの分野にトップシェアを誇る商品がいくつもある。その製品には休むことなく小さな改良を加えている(例として洗濯用の洗剤のトップの地道な改良の跡が提示された)。最近、花王は年間売り上げが四十八憶円あったフロッピーディスク事業から撤退した。それは美しさを追求する洗剤を作るという方針(社訓)とちょっと違った方向の製品だったからだ。撤退してもその穴が補填され、全体として業績を伸ばし続けているのが現状だ。
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ひるがえって我がTimtamはどうだろう。Mが創業を決意したのは1983年9月、日和田山の岩場での岩登りトレーニングの帰り道だった。その後、Mは無名山塾に入り、無名山塾の登山学校部門の運営助手を勤めた。1996年1月に「山塾サポート」を作り葛飾税務署に企業登録した。2003年1月「山塾サポート」から「登山教室Timtam」に名称を変更、現在に至っている。だからTimtamの企業としての歴史は一番少なくみつもると四年六ヶ月、一番長いそれは二十三年九ヶ月となる。後者をとれば、現存する登山教室の中では古い部類に入ることになる。
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Timtamにはその本業である「山の集い(机上講座)」と「基本ステップの講習会」と「個人山行のサポート」に徹してもらい、その仕事内容にわずかずつの改良を休みなく加え続けていいただきたいと願うものである。(M記)
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