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June 20, 2007

金剛組、花王、ナベヤ

6月16日(土)に源次郎沢、6月17日(日)モミソ沢を遡行した。6月18日(月)は疲れもあって早く寝ようと思い、夜10時はふとんの中に入った。NHKのテレビがついていたから消そうと思ったら、ちょうど10時からの「NHKスペシャル」が始まったところだった。番組名は「長寿企業に学ぶ」だったと思う。知らず知らずに番組の内容に引き込まれ最後まで見てしまった。
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番組の内容は以下のとおりである。
@日本は二百年以上続く長寿企業が多くてその数は数千社、次に多いのはドイツとオランダでどちらも数百社のオーダーだからダントツ世界一、長寿企業大国である。
@長寿企業には共通した特徴がある。
・不況に強く、不況の時でも横ばいか業績を伸ばしていることが多い。
・本業に徹して、別の業種に手を出さない。
・本業に徹するがその仕事内容にわずかずつの改良を休みなく加え続けている。
・長く守りられ続けた家訓(社訓)のようなものがある。
・「損して得を取る」という考えがある。つまり経営方針に自動車のハンドルの遊びのようなものがあって、仕事がうまくいかなかったり、損をすることがあってもその後の回復のための糧とするスタンスがある。
@長寿企業の例として三社が紹介された。
・金剛組…飛鳥時代に法隆寺などの寺を建設するために中国からよんだ建築技術者集団が作った組織で、今は普通の建築会社に見えるが現存する世界最古の会社である。寺院建築の技術とその修復の技術は従業員に代々受け継がれて千四百年に渡り途絶えなかった。コンクリート寺院とかマンション建設に手を出して失敗したが、現在は木造建築(宮大工)に専念し業績を伸ばしている。
・ナベヤ…織田信長が岐阜城を建設する時に岐阜城下町に出来た鍋の製造販売のお店からスタートした。鋳物技術の高さを買われ朝廷からお墨付きをもらったこともあった。葛飾柴又の帝釈天の釣鐘はこの会社の製品である。現在は精密機械の金型を作る土台となる部品(部品名は記憶できず)のトップメーカーとなっている。この部品がないと精密機械が作れないので、ナベヤが日本の機械産業の根幹をささえていることになる。社長は世襲だが二代に一人は娘婿が社長になっていて企業体質に新しい考えを入れてきた。現在の社長も娘婿だ。現在の社長は二十八歳で社長に就任、四十憶円をかけて新工場を作ることを会長から許された。会長は新工場が失敗するはわかっていたが、会社の番頭制度(部長や専務ではない)を学ばせる機会とした。案の定新工場は失敗したのだが、番頭の力を借りてその失敗は十年を経て序所に克服されていった。現在、その新工場は会社の利益の半分以上を稼ぐに至っている。
・花王・・・明治時代に顔を洗えるほどに品質の良い石鹸ということで商品名「カオウセッケン」を売り出して創業した。化粧品、洗剤、健康飲料などの分野にトップシェアを誇る商品がいくつもある。その製品には休むことなく小さな改良を加えている(例として洗濯用の洗剤のトップの地道な改良の跡が提示された)。最近、花王は年間売り上げが四十八憶円あったフロッピーディスク事業から撤退した。それは美しさを追求する洗剤を作るという方針(社訓)とちょっと違った方向の製品だったからだ。撤退してもその穴が補填され、全体として業績を伸ばし続けているのが現状だ。
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ひるがえって我がTimtamはどうだろう。Mが創業を決意したのは1983年9月、日和田山の岩場での岩登りトレーニングの帰り道だった。その後、Mは無名山塾に入り、無名山塾の登山学校部門の運営助手を勤めた。1996年1月に「山塾サポート」を作り葛飾税務署に企業登録した。2003年1月「山塾サポート」から「登山教室Timtam」に名称を変更、現在に至っている。だからTimtamの企業としての歴史は一番少なくみつもると四年六ヶ月、一番長いそれは二十三年九ヶ月となる。後者をとれば、現存する登山教室の中では古い部類に入ることになる。
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Timtamにはその本業である「山の集い(机上講座)」と「基本ステップの講習会」と「個人山行のサポート」に徹してもらい、その仕事内容にわずかずつの改良を休みなく加え続けていいただきたいと願うものである。(M記)

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June 14, 2007

鎌北の森の岩場に行こう!

メンバー4人(M、N、I、0)で、鎌北の森の岩場に行ってきました。鎌北の森の岩場には他のクライマーはやってこないという仮説を検証したかったからです。ちなみに、昨年の九月からの六度の偵察して六度共に他のクライマーに出会ってはいません。
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仮説が立てられた理由を再度整理して箇条書にしてみましょう。
①日本百岩場(山と渓谷社)にわずかに掲載されているけれども、場所を示す地図が付記されていないので、相等に思い入れて探さないとみつからない。
②5.8から5.11aまで、8本程度しかルート数がなくて、高さも10メートル未満の小さい岩場だから必然的に多くの人を迎えられない。
③5.11b以上の難しいルートがないからそういうルートを目指す人は来ない。
④アルパインクライミングのルートがないからアルパインクライマーも来ない。
⑥近くに日和田山の岩場、東吾野の岩場、小岩井サンセットロック、久須美ボルダー、天覧山の岩場、聖人岩、名栗の岩場といった人気の高い岩場が多くあるのでそれらの岩場が人の流れの堤防になっている。
*参考までに、奥武蔵の山域では日和田山の岩場や小岩井サンセットロックのラインあたりの地層はチャート(珪素質の体積岩)で、鎌北の森の岩場もチャートである。鎌北の森の岩場あたりが地層の変わり目(不整合)でわずか1キロメートルほど離れた聖人岩や名栗の岩場から西は石灰岩(カルシウム質の体積岩)の地層になる。
⑦日和田山の岩場や天覧山のそれは岩場の上の眺望がいい、小岩井サンセットロックは足元の名栗川の流れがいい。聖人岩には「テンが見ていた」みたいな花丸ルートがいい。名栗の岩場はルート数が多くて近くに大きな温泉施設が有るのがいい。つまり、鎌北の森の岩場のよさは、一般的よさの範疇からはずれる。
⑧道路の側だから車で行くなら便利だが、駅から歩いたら二時間近くかかるから、車のない人は来ない。
⑨岩場の近くに不法投棄されたゴミがあって、この岩場に通う意欲を損ねる。
⑩北に向いている岩場なので、岩登りシーズンの冬場は寒い。夏場は蚊が人の侵入を阻む。
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鎌北の岩場に9時すぎに到着しました。天気は晴天、空気は乾いて、岩場も乾いていていました。山頂に近い方にあるので、湿度の低い乾きの良い所みたいです。気温は20度くらいだけれど北側の岩場で日差しがないし、湿度が低いので涼しいくらいでした。そのせいか蚊はいませんでした。
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さっそく一番左のトップロープ課題の2本(5.7と5.8)を登り。次に一番右のリード課題(5.9)次に、岩場中央のリードルート「鎌北の森5.10a」を登りました。わずかに前傾した壁にひかれたカッチリしたホールドをつなぐルートに星三つあげたいです。
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のんびり昼ごはん休憩をとって、一番右のルートからルンゼを一つ隔ててある岩場(高さ8メートル幅8メートル)の偵察をしました。岩場は手付かずの未開拓状態です。4級プラスのアルパインルートが2本は引けそうです。岩場の上部は藪になっていて「うるし科」の植物が生えているので要注意です。
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予想通り、他のパーティが来ることなく午後2時に終了しました。鶴ヶ島にある温泉施設「ふろいで」によって帰りました。「ふろいで」はすぐ近く500メートル離れていない所に「蔵の湯」という大型の温泉施設があるためそこが人の流れの堤防になっているらしくて、人影がまばらです。のんびりと「いい湯だな!」でした。
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うるし科の植物の勢いが衰える冬場になってからルート作りに行く予定を立てています。藪を刈り、上から懸垂下降して風化して崩れている岩を丁寧に取り除き、ハーケンかリングボルトを打ってアルパインルートを作りたいです。ルート開拓者募集中!
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9月末の日曜日には「鎌北の森の岩場」で「フリークライミングベーシック教室」を開催する予定です。「ハードフリー」でなくて「ベーシックフリー」です。来てね!!(J記)

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June 12, 2007

スクールダスト

公立中学校の教員にとって、インフルエンザや風邪にかかるのはとてもヤバイことだと思っている。風邪にかかってもそう簡単には休めない。補充授業(自習)になって、正規の授業を受けるよりずっと不利益な思いを生徒にさせる。一クラスに1.3人の教員しか配置されていないわけで教員が一人休めばその補充で同僚教員には休憩する時間がまったくなくなるほどの負担をかける。「授業は生きものだ!」その生きてる授業の流れを断ってしまう。
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インフルエンザウィルスは空気感染だからちょっと防ぎようがない、感染したら出勤停止(学校教育法施行規則で定められている)になるし、第一、高熱が出て腰が抜けたようになるので、休みたくなくても休むしかない。
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普通の風邪のウイルスは咳の飛沫が机などについて、それを手で触り、その手を口に持って行くことで感染する。症状が軽めで普通は三日で直るものなので、休まないで出勤し、朝の会と帰りの会、授業五時間、給食指導、清掃指導、などの仕事をこなす。生身の生徒を相手に手抜きは出来ない。声の大きさは少し押さえられるけれど、少なくとも教室の後ろまで通る声を出さなければならない。風邪をひいていても、教室の中に四十人の生徒が生活していることによって出る、ダニ、ホコリ、フケ、などなどにチョークの粉が混ざったスクールダストをたくさん吸うことからは逃れられない。
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注意をしていても風邪をひいてしまう(ぼくの場合二年に一度くらいかな)。もちろん、ぼくも、風邪ぐらいでは休まない。そんなことを三十年も続けてきた。この十年ぐらいは風邪がなおるのに時間がかかる。二ヶ月ぐらい咳が続いてしまう。気管支過敏症というのになってしまうらしい。皮膚とか骨の細胞はどんどん新しい細胞が出来てくるのだけれど、肺と脳の細胞は再生しないで今あるやつの数が次第に減っていく、人は空気の良い場所で生活しなければならない動物だということはわかっているけど仕方なし・・・!。2007年、六月中旬、四月末に流行った風邪が治らず、長く続く咳になやんでいる教員がぼくの中学校(教員数三十三名)に四人もいる。
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クライミングジム(人口壁)を作りたいと思っている。
ぼくとその仲間の作るジムはルートエリアと準備運動(ソトレッチ)エリアが板張りの床だ。
ボルダーエリアはマットを敷くが、クライマーがマット上を歩いたり、マットに飛び降りたりする時にマットのサイドから噴出する空気を床下に逃してそれを全て屋外に出すダクトを設ける。
エアコンのメンテナンスはしっかり行う。
液体チョークのみ使用可とする。
上半身裸になる服装を禁止する。
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おしゃれで、きれいで、カフェーが併設されたジムで、シャワールームがあって、山の手線の駅の近くで、ビルの1階にあって・・・そんな条件を全部クリアするのは無理だけど・・・、なによりも優先して、空気がきれいでスクールダストのないジムにする。(J記)

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June 04, 2007

山行報告「奥多摩・鷹巣谷」

6月2日(土) 奥多摩日原川鷹ノ巣谷遡行
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メンバー
TH、SM、UY
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行 程
奥多摩駅 →8:35 西東京バス 9:00東日原→徒歩10分 中日原 林道→巳の戸橋→鷹ノ巣谷出合い 入渓 9:49 大滝(11:11~20)水の戸沢、金左小屋窪出合い(金左小屋窪へ)11:59→1650mから降りる枝尾根上1395m地点(沢靴を脱ぐ)1:39→石尾根2:35→鷹ノ巣山頂 3:00→稲村尾根下降→東日原バス停4:47(5:22のバスにて奥多摩駅へ
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核 心
ロープ使用は2段、20m大滝一回のみ。TYさんがリード、リングボルト、ハーケン、木の根で支点をとる。1段めの上部岩陰の木の根を支点にして後続をひきあげ(ここにスリングあり)、2段目はフリーで。ホールド多く難しくない。大滝から上はわさび田後が続き小滝から涸れ滝に。踏みあとをたどって、そんなに藪こぎもなく尾根上に出られた。
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感 想
中日原から林道→巳の戸橋へ行く途中に黄色テープの巻いてあるところあり、間違えてそこから沢へ降りてしまい、日原川沿いに巳の戸橋まで河原の道を歩いたのでかえって時間がかかってしまった。金左小屋窪を詰めるつもりで右の沢、右の沢へと入っていったが、最後の分岐は左だったようで、早めに尾根に上がってしまった。あいにく霧で山頂からの眺望はよくなかったがピンクのつづじが満開できれいでした。同期3人だけだったので、休みたいときに休んだり、のんびり楽しめました。

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