釜の沢 Go west!
8/18~19 釜の沢西俣遡行 M氏、OH
釜の沢といえば東俣ばかりが有名ですが、両門の滝以降の遡行図にも書かれるほど‘うんざりするほど長い’広河原歩きは、沢登りの楽しみとしてはちょっと??です。そこで今回は、この東俣以上の美渓とされる西俣を遡行しました。
7:00東沢入渓禁止の看板を目印に、東沢へ入渓。ここ数日まとまった雨がふらなかったせいか、ふだんに比べ水量は少ないうえに、今日は快晴。そんなわけで釜の沢の出合いまでは、普段は水量が多くて登れない滝などに挑戦したり、じゃぶじゃぶと水線中央を歩いたりしながらの楽しい遡行です。両門の滝までの遡行は毎度ながら感動の景色が続きます。鶏冠山山頂直下まで突き上げる東のナメ滝の壮大なスケールに驚き、千畳のナメ滝をヒタヒタと歩くと川の流れとともに心が洗われます。7mの曲がり滝は、直登か巻くか5分くらい迷いに迷い、結局巻きました・・・。
10:45両門の滝にたどり着き、いよいよ西俣遡行スタートです。滝は何ルートかの踏み跡がありますが、なるべく小さく巻くルートを選びつつ、安全を確認しながら修正することで中巻きくらいのほどよいルートが簡単に見つかると思います。落ち口は特に懸垂下降せずに降りられます。滝を登ると、素晴らしいナメ滝の連続です。一枚岩でできた連続ナメ滝は、川の流れが岩の形によって左右に振れ、ボブスレーのコースを遡行するようです。遡行図では一部巻きとありますが、晴れた夏なら直登しなければもったいないです。
やがて進むと、水流は緩くなり苔がむし、厚さ数センチはあろうかと思う苔に覆われた滝を登っていきます。途切れることなく続く清流の流れ、両岸の尾根や川を覆う木々の葉、そしてこれらの苔が我々をあたたか包み込みます。川にひれ伏してその水を飲むと、もはや自分が人ではなく、この眼前の自然の一部となり、あたかも透明人間になった気持ちになります。アルパインクライミングや縦走登山にはない、沢登りにおいてのみ味わえる感動がここにあります。しかしながら、こういった体験ができる沢も、そういくつもありません。山深く自然豊かな奥秩父ならではでしょう。
源頭部を詰めると遡行図では倒木帯の前後に水師の支尾根を目指す2つのルートが記されていますが、私たちは最後の分岐(参考:東京周辺の沢)において間違って左俣をすすみ、そのまま樹林帯を登っていきました。伏流の音も消え、いよいよ詰めというところで装備を解除、踏み跡か鹿道かわかなないルートを地形図とコンパスたよりに北北東へ登っていきます。
原頭部からM氏とルートを探索しながら登ること30分ほどで、水師から西20分ほどの登山道にでました。沢登りでホッとする瞬間です。水師の支尾根歩きより、一般登山道に出たほうが楽ということで結果オーライといったところでしょうか。新たな遡行図として加えても良いと思います(赤テープ巻いておけば良かった!)。この偶然の発見は、その後地形図を確認していたときに、遡行中気づかなかった支沢を確認したのでした。遡行者の間ではごく知られたルートなのでしょうが、予測ルート通り遡行できなかったことにおいて反省です。
その後さらに1時間弱で16:00に甲武信小屋に到着。夜、小屋のオーナー徳さんや小屋番の方、常連さんと久々の飲み会。楽しい夜を過ごしたのでした。当日歩荷で運ばれたバチマグロの刺身が山小屋で食べられるとは感動ものです。
遡行図にはない藪こぎはM氏のルートファインディングによるもの多々ありました。改めて感謝!そしていつも私以上に沢山のおつまみを担いできていただき、本当に感謝しています。
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