burning bean valley
8/5 奥秩父北面を代表する美渓として名を馳せる豆焼沢に行ってきました。OH、M氏
7:00豆焼橋横にある出合いの丘駐車場は濃霧に包まれ、初めての私たちには入渓点がどこなのかさっぱりわからない状態だったのですが、駐車場の柵を越えたワサビ沢の左岸にあるススキの藪に僅かな踏み跡を発見。ワサビ沢沿いに斜面を降りていくこと20分ほどで、豆焼橋直下の沢に到着しました。ここ数日の雨とこの濃霧で遡行するか迷ったのですが、エスケープルートとして仕事道があることや、降雨で即撤退することを条件に遡行を開始しました。
元々水量が多い沢だけに、出だしからナメや小滝が続き楽しい沢が予感されます。
7:40ホチの滝直下。ホチの滝は25mの直登不可の大滝です。しかし垂直な崖から轟々と流れる水流にしばし感動の時間。右岸から巻きます。
自然は大地を創造するとき、う~ん、じゃこの辺に滝でもつくっか~的な感覚で山や渓谷、滝を作ったのでしょうが、人間の生活にとっては大きな障害となり、遡行者にはダイナミックなアスレチックフィールドとなります。我々が自然の偉大な力に対し畏敬の念を抱く瞬間です。しかしこの滝の遙か上の巨大な第二豆焼橋がこの偉大な滝を見下ろし、あたかも近代文明は自然を自由にコントロールできるようになったかのような錯覚に陥ります。
この錯覚は、自然にとって我々のくしゃみやウ○コ同様の生理現象、つまり地震や土砂崩れにより一瞬にして目を覚ますことになるのですが・・
ホチの滝の次に待ち受けるゴルジュ帯は、倒木や樋面の突っ張りのきわどいムーブで突入。残置があるので、これも利用します。怒濤の水流に体がふり落とされそうになるこの状況は、まるで素人がプロボクサーにタコ殴りにされてる気分です。この時点で全身びっしょりで、もうどうにでもなれという感覚でどんな滝もシャワークライムで直登していきます。もちろん巻き道もしっかりとあるので、濡れたくない方も満足していただけます。あ、遡行図にある作業小屋というのは、それらしき跡しかないのでご注意を。
しかし最近思うのは、遡行図に巻き道が書いてあっても、実際に滝を見てみるとルートが見えることって多々あります。そもそも沢本の遡行図というのが、多くの遡行による正確な検証によって描かれたものではなく、19○○年の、とある記録が書かれているだけで、その時巻いたからといって、みんながトレースする必要もないわけです。ぐずぐずのルンゼや土壁を恐る恐るへつって巻いたり、汗をかいての大高巻きなど巻き道で疲労困憊するより、滝壺落下覚悟で登ったほうが沢登りって楽しい!?って思うのです。
まぁこんなことを考えているうちに、東京周辺の沢(白山書房)の表紙を飾る大滝50mがドドーンと現れます。威圧感たっぷりのこの滝で、M氏としばしランニングの位置や、ピッチをきるところを探しましたが、最初の1ピッチ25mほどは3級程度、でも次のピッチはどうみても4級レベルでルートが読めない!しかも今日は霧で下からじゃルートが見えない。ネット情報だと腐りかけたスリングにA0で登るとのこと。
う~ん、巻こう・・・
滝壺落下覚悟で登ったほうが楽しい?そんな哲学は暖かいお家に帰ってから語るべきです。
M氏は納得がいかないようで、最後まで滝に残り、巻いている最中もちょくちょく巻き道から覗いては、ルートを必至に探していました。素晴らしき執念です。
続いてゴルジュや多段の滝を越えると、いよいよ豆焼沢のハイライト、両門のすだれ滝に到着。左右から苔むしたナメの上をシャワシャワと清流が流れてくるこの滝の美しさは筆舌に尽くしがたい。ここまでがんばった甲斐があります。
滝をゆっくりと直登し、そのあとも暫く苔に覆われたなめ滝は数十メートルにわたって続き、我々の今までの苦労を癒してくれます。
そしていよいよ原頭部か?と思われるところにミニゴルジュ帯が待ちかまえています。すでに遡行時間は5時間に達しており、ちょっと疲れてきたところにこれはきつい!でも、気合いで登ります。
最後は雁坂小屋の水取場へ続く支流コースを選んだのですが・・途中から伏流になりついには浮き石だらけの急斜面になってしまいました。水取場への沢が枯れるとは・・間違いに気づきこの斜面を降りることを提案しましたが、M氏は本来の沢へトラバースしようということで斜面をトラバース。実はこれが大正解で、再び水の流れる支流へ戻れました。落ち口が崖になっていたので懸垂下降で着地。再び滝を登ること20分ほどでようやく水取場に付きました。この時点で14:00。7時間の遡行となりました。
水取場から続く縦走路を歩き、雁坂小屋でちょっと休憩。小屋の主に、山梨側はよく晴れているのに、なんで埼玉側は霧なんですか?と聞くと、山梨側は甲府盆地からの風で霧は吹き飛ぶが、埼玉側の山々はまるで扇子のように地形が入り組んでいる、だからだ。とのこと。
果たして地図をみると、うん納得です。
下山路は再び濃霧に突入して2時間。マイナスイオンたっぷりのなか、すたすたと下り駐車場まで戻りました。
遡行7時間、下山2時間で充実感たっぷりの沢でした。 OH記

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