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September 25, 2007

ロープワーク習得の秘訣

1950年生まれ、見たい番組がなくてもテレビをつけっぱにしにしてしまう時代に育った。今でも夕食から寝るまでの間にくつろぐ時間があるとNHKの総合テレビ(第1チャンネル)をただ漠然と見ている(ワッチ:wacthでなくてシー:see)ことが多い。NHKが好きなわけではない、でも民放だと番組の内容に引き込まれてワッチを開始したとたんにコマーシャルが入るから嫌なのだ(大袈裟かも知れないけれど、日本の将来の為に現在のような“セコイ”コマーシャルの入れ方は止めて、正確に15分置きにコマーシャルを入れていた1960年代のやり方に戻した方がいいと思う)。

さて、先日(9月の半ばだったと思う)、NHKで「美術館でのじょうずな鑑賞の仕方」という内容の番組があった。例によって漠然と見ていて、実験があって興味が高まりワッチしてしまった。
<実験>
「脳の所定の部分にセンサーををつけて次の①と②の条件をつけて異なる10枚の名画を見て脳の反応の違いを観察する。」
①何も条件をつけずにただ見る。
②1枚買うとか1枚家で飾るとしたらどれを選ぶかという条件をつけて見る。
<結果>
「条件をつけた場合に脳の様々な部分が活性化される。」

登山技術全般で言うとわかりにくくなるから「リードアンドフォローのロープワーク」(以下ロープワーク)に話しをかぎろう。
<ロープワークの概略>
①ザックから出したロープをほどき、ロープの上と下を作る。
②ロープを結びあう。
③セカンドはセルフビレーをとり、トップを確保する。
④トップはランニングビレーをとりながら登る。
⑤ビレーポイントについたトップはセルフビレーをとって「ビレー解除」と叫ぶ。
⑥セカンドはトップのビレーを解除して「ロープアップ」と叫ぶロープがいっぱいになったら「ロープいっぱい」と叫ぶ。
⑦トップはセカンドを確保して「登っていいよ」と叫ぶ。
⑧セカンドはセルフビレーを解除して登り始める。
*最終的には「ビレー解除」、「ロープアップ」、「ロープいっぱい」、「登っていいよ」などと叫ぶことなく無言でロープワークが行なえることを目指す。

ロープワークをすぐに習得する人となかなか習得しない人がいる。それぞれが自分に合わせた工夫をすればいいのだから、人は様々であってそれでいい。でも、個人山行でバリエーションルートに行くのならばリーダーをビレーすることくらいは出きるようになりたいと思うだろう。

ビレーが出来ない=パーティの足を引っ張る=個人山行に誘われない・・・という構図を避けたのはだれしも同じ気持ちだろう。

ロープワーク習得の秘訣は
「なるべく早く自分がリーダーになって山に行き、自分が先頭を歩いてルートファインディングして自分が悪場をリードする。」と決意することだ。リーダーにならねばと考えてロープワークの習得に取り組むのとそうでないのとでは脳の働きはプロとアマのスタンスの差で違うと確信する。(J記)

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September 07, 2007

burning bean valley

8/5 奥秩父北面を代表する美渓として名を馳せる豆焼沢に行ってきました。OH、M氏

7:00豆焼橋横にある出合いの丘駐車場は濃霧に包まれ、初めての私たちには入渓点がどこなのかさっぱりわからない状態だったのですが、駐車場の柵を越えたワサビ沢の左岸にあるススキの藪に僅かな踏み跡を発見。ワサビ沢沿いに斜面を降りていくこと20分ほどで、豆焼橋直下の沢に到着しました。ここ数日の雨とこの濃霧で遡行するか迷ったのですが、エスケープルートとして仕事道があることや、降雨で即撤退することを条件に遡行を開始しました。

元々水量が多い沢だけに、出だしからナメや小滝が続き楽しい沢が予感されます。

Photo 7:40ホチの滝直下。ホチの滝は25mの直登不可の大滝です。しかし垂直な崖から轟々と流れる水流にしばし感動の時間。右岸から巻きます。

自然は大地を創造するとき、う~ん、じゃこの辺に滝でもつくっか~的な感覚で山や渓谷、滝を作ったのでしょうが、人間の生活にとっては大きな障害となり、遡行者にはダイナミックなアスレチックフィールドとなります。我々が自然の偉大な力に対し畏敬の念を抱く瞬間です。しかしこの滝の遙か上の巨大な第二豆焼橋がこの偉大な滝を見下ろし、あたかも近代文明は自然を自由にコントロールできるようになったかのような錯覚に陥ります。

この錯覚は、自然にとって我々のくしゃみやウ○コ同様の生理現象、つまり地震や土砂崩れにより一瞬にして目を覚ますことになるのですが・・

ホチの滝の次に待ち受けるゴルジュ帯は、倒木や樋面の突っ張りのきわどいムーブで突入。残置があるので、これも利用します。怒濤の水流に体がふり落とされそうになるこの状況は、まるで素人がプロボクサーにタコ殴りにされてる気分です。この時点で全身びっしょりで、もうどうにでもなれという感覚でどんな滝もシャワークライムで直登していきます。もちろん巻き道もしっかりとあるので、濡れたくない方も満足していただけます。あ、遡行図にある作業小屋というのは、それらしき跡しかないのでご注意を。

しかし最近思うのは、遡行図に巻き道が書いてあっても、実際に滝を見てみるとルートが見えることって多々あります。そもそも沢本の遡行図というのが、多くの遡行による正確な検証によって描かれたものではなく、19○○年の、とある記録が書かれているだけで、その時巻いたからといって、みんながトレースする必要もないわけです。ぐずぐずのルンゼや土壁を恐る恐るへつって巻いたり、汗をかいての大高巻きなど巻き道で疲労困憊するより、滝壺落下覚悟で登ったほうが沢登りって楽しい!?って思うのです。

Photo_2 まぁこんなことを考えているうちに、東京周辺の沢(白山書房)の表紙を飾る大滝50mがドドーンと現れます。威圧感たっぷりのこの滝で、M氏としばしランニングの位置や、ピッチをきるところを探しましたが、最初の1ピッチ25mほどは3級程度、でも次のピッチはどうみても4級レベルでルートが読めない!しかも今日は霧で下からじゃルートが見えない。ネット情報だと腐りかけたスリングにA0で登るとのこと。

う~ん、巻こう・・・

滝壺落下覚悟で登ったほうが楽しい?そんな哲学は暖かいお家に帰ってから語るべきです。

M氏は納得がいかないようで、最後まで滝に残り、巻いている最中もちょくちょく巻き道から覗いては、ルートを必至に探していました。素晴らしき執念です。

Photo 続いてゴルジュや多段の滝を越えると、いよいよ豆焼沢のハイライト、両門のすだれ滝に到着。左右から苔むしたナメの上をシャワシャワと清流が流れてくるこの滝の美しさは筆舌に尽くしがたい。ここまでがんばった甲斐があります。

滝をゆっくりと直登し、そのあとも暫く苔に覆われたなめ滝は数十メートルにわたって続き、我々の今までの苦労を癒してくれます。

Imgp0356_2そしていよいよ原頭部か?と思われるところにミニゴルジュ帯が待ちかまえています。すでに遡行時間は5時間に達しており、ちょっと疲れてきたところにこれはきつい!でも、気合いで登ります。 

最後は雁坂小屋の水取場へ続く支流コースを選んだのですが・・途中から伏流になりついには浮き石だらけの急斜面になってしまいました。水取場への沢が枯れるとは・・間違いに気づきこの斜面を降りることを提案しましたが、M氏は本来の沢へトラバースしようということで斜面をトラバース。実はこれが大正解で、再び水の流れる支流へ戻れました。落ち口が崖になっていたので懸垂下降で着地。再び滝を登ること20分ほどでようやく水取場に付きました。この時点で14:00。7時間の遡行となりました。

水取場から続く縦走路を歩き、雁坂小屋でちょっと休憩。小屋の主に、山梨側はよく晴れているのに、なんで埼玉側は霧なんですか?と聞くと、山梨側は甲府盆地からの風で霧は吹き飛ぶが、埼玉側の山々はまるで扇子のように地形が入り組んでいる、だからだ。とのこと。

果たして地図をみると、うん納得です。

下山路は再び濃霧に突入して2時間。マイナスイオンたっぷりのなか、すたすたと下り駐車場まで戻りました。

遡行7時間、下山2時間で充実感たっぷりの沢でした。 OH記

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September 04, 2007

S・T・R・E・S・S

歌人の斉藤茂吉さんの長男の斉藤茂太さんは精神科のお医者さんでありエッセイをよく著す人でもあります。その斉藤茂太さんはストレスからの脱却方法をSTRESSの英文字つづりにこじつけて以下のように説明しておられるそうです。
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S・・・スポーツをしよう。
T・・・トラベルをしよう。
R・・・レクリエーションしよう。
E・・・イート(食べる)しよう。
S・・・スリープしよう。
S・・・スマイルしよう。
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その話を聞いた時に、Timtamでの山登りが頭の中にダブっていた。
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S・・・汗をかくほどの全身運動があって、競う場面は少ないけれどクライミングやバリエーションルートの踏破の技をみがくのだから山登りはスポーツである。
T・・・乗り物に乗って(歩きでもいい)遠くに行き、美しい自然の風景を見て歩き時に観光もして、温泉欲もするのだから山登りは旅行である。
R・・・日常生活とちょっとだけ異なることを行なって精神の開放を図っているのだから山登りはリクリエーションである。
E・・・山で食べるとおいしい。焚き火の側で食べるのは最高だ。山から帰って食べるのもこれまたおいしい。
S・・・山登りの場合、朝は早く起きるけれど、夕方は18時から寝てしまえるから不思議だ。停滞(沈殿)の日は1日中寝ていられて、夜またいっぱい寝られる。山登りほど長時間寝れる種目があったら教えてほしいものだ。
S・・・人と人が70センチ以内に近づくことは少ないそうだ。山登りは人と人の距離が近い、バリエーションルートだったら命を守りあうつながりがある。テント生活だったら5センチメートル離れない所に人が寝ている。共に苦労して目的のルートに行って来た時、山の仲間達の会話は楽しい。朝、初めて会って、いっしょに山の講習会に出て、帰りの電車内ではまるで十年来の知己のように親しくなっている場面を何度も見てきた。
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Timtamの山登りほどストレスに対抗できるS・T・R・E・S・Sのある世界はないと言ったら言い過ぎだろうか?   (J記)

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