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February 27, 2008

雪崩れビーコンの機能を携帯電話に

十年以上前の三月初旬の土曜日のことだ。夕方まであった仕事(ぼくの職場はまだ週休二日になっていなかった)を片づけて帰路についた。家から五分の所にある酒屋の前で車を止めて、ワンカップ大関を二本とピーナツの混ざってない柿の種を買い家に戻った。それで、七時半ごろからの夕飯までチビチビと飲んでいたその時。だんだんお酒で身体がポカポカしてきたその時。玄関の電話がけたたましく鳴った。谷川岳の天神尾根上をスキー場から1時間ほど行って小ピークを一つ越えた所に掘った雪洞の中からの電話だった。
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まだIモードのメールなんかなくて。ドコモのムーバーかとPHS(ピッチ)が激しくシェア争いをしてる頃だった。
「まさか、携帯電話がつながるとは・・・。」思わず声を出していた。
入り口が小さくてそのの前にはブロックが積んであるのでほぼ電波の出口のないと思われる雪洞の中だから、たぶん電波は雪を通りぬけて飛ん出たのだろう。
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電話の向こうで話し声や大きな笑いが聞こえる。十一人も中にいて宴たけなわで盛り上がっていて。なんか話しがまとまって、先輩のK氏が調子に乗って電話をかけて来たのだ。
「アレー!カカッチャタヨ・・・、アー、ナンデコネーノカッテ、ナニー、シゴトダッー、イマカラコイヨー!」
とか言って上機嫌だ。五人以上が電話でしゃべってようやく切れた。まだまだ携帯電話が珍しい時代だったみたいだ。
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時を経て今週末、タカマタギ山の雪洞泊山行に参加するつもりだ。八人ほどの参加者がいるので。たぶん何人かは雪洞の中から電話でなくてメールをするだろう、そのメールはもしかすると写真付だ。携帯電話は十年で人の暮らし方を変えてしまっているようだ。
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アイデアがある。携帯電話に雪崩ビーコンの機能をつけるというものだ。もし僕が最初に考えたんだったら実用新案特許ものだ。携帯電話を失くしたり置き忘れてもビーコンの機能で探すことが出来るから便利、だからきっと売れると思う。ほとんどの人が携帯を持ってて、それで数度は自分の携帯をビーコン捜索をした経験を持つだろうから雪崩れに埋まった人の救助率は抜群に上がるだろう。(J記)

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February 22, 2008

ぼくも保ってみよう!

武蔵野線とつくばエクスプレス線の南流山駅から草加流山街道を東に徒歩10分(地図はTimtamのホームページの岩登りの写真の1番目の記事にある)の所にガンバクライミングジム(以後:ガンバ)という現存する中では日本で一番古い屋内人口壁(高差8m)がある。
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毎週水曜日の午後2時ごろにその人はガンバにやって来る。曜日は決まっているのだが、やって来る時間は1時の時もあれば4時の時もある。水曜日は仕事が休みの日で家事を済ませてから来るから時間は不規則になるんだそうだ。ちょっと小柄で、ムキムキではない程度に筋肉ついて、痩せて見えない程度に痩せていて、チョッピリかっこいいクライマー体型の年配の女性だ。
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ジムに到着すると、奥にいるジムのオーナ夫人(ママさん)に声をかける。着替えて、準備運動をして、ストレッチを済ませるたころジャストタイミングでママさんが出てくる。ママさんにビレーをしてもらい、壁を登ってロワーダウンで降りる。ママさんと五分くらい世間話をしながら息をととのえる。また壁を登って降りるをくりかえす。
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始めに垂直の壁を四本、次にやや緩い前傾壁を腕がパンクするまでたぶん六本くらい登る。それが二時間半くらい続く。登るルートはガムテープの色なんかで示された既製のものではなくて自分の身長に合わせて自分で作ったもののようだ。毎回同じように見えるが、実は微妙にルートが違う。壁の途中で即興でホールドを決めて変えている。全てがロープを引くリードクライミングだ。
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腕がパンクしたら20分ぐらい世間話しのインターバルをとって壁のトラバースに入る、四メートルの高さにあるクイックドロースリング(ヌンチャク)にロープをクリップしながら右へ右へと移動する。もちろん左へ左へと移動する日もあるが右移動を見る事の方が多い。四メートルの高さだけれどママさんにビレーしてもらっている。その人はボルダーリングはしない、つまり壁を飛び降りることはしないのだ。「飛び降りると衝撃で骨とか関節とかを痛めるので飛び降りることはしないようにしている。」とのことだ。トラバースすること十六メートル、そこから130度のかぶった壁を上に四メートル登って終了点でクリップ、ロワーダウンして終了する。それは十六回以上もクリップするロングルートだ。そのロングルートのメニューが終わったら、その人は帰る、かなりさっさと帰る。
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その人は以上のような登り方を、先週も、その前の週も、その前も、ずっとずっと、ガンバクライミングジムが三星(みつぼし)ウォールと言う名前だった時代からなんと20年以上も続けて来ているのだ。そして、今週も来週もさ来週もこれからもずっと続けるだろう。
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ぼくの場合は昔傷めた頸椎のズレを流山総合病院(患者を長く待たない方針に徹しているのがいい)治療してもらった帰りにガンバに寄ることが多くて、それがたまたま水曜日の夕方だった時なのだから、三ヶ月とか半年とかに一度くらいしかその人には遭遇しない。だから、最近になってようやくその人の登り方に気がついた。というか、薄々わかってたことがつながって確信できた。
「うまくなろうとしているんじゃない・・・」
「保っているんだ!」
「続けているんだ!」
「ああ!そうだったのか・・・」
その時、彼女の二十年間ガンバでの様子が見えていた。
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「ぼくも、保ってみよう。」
「それなら出来るかも知れない!」
                    (文:流山のタマ)

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February 19, 2008

月に一度は山に行こう!

日本では月に五十時間以上残業する人が二三割いるそうです。統計に現われている数字だけでそうなんですから、届けてられてないサービス残業なんかを含めたらもっともっと長時間なはずです。そう、日本は先進国の中でもっとも労働時間の長い国なんです。
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40年ほど前まではコンビニはありませんでした。フリーザー付冷蔵庫や電子レンジもありませんから、夜遅くなっての食事はみそ汁でごはんを煮た「おじや」あたりが定番でした。食事のことだけ考えても長時間の残業が出来にくかったのです。でも、だんだんと便利?になってきて今は違います。日本人に脈々と流れる滅私奉公、一生懸命、一所懸命、・・・という精神が大きな潮流となって追い打ちをかけます。放っておけば長時間労働はさらにエスカレートするでしょう。深夜や正月元旦に営業をするスーパーなどの店舗が続々と登場しているのがその証拠です。
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長時間労働が行きすぎれば、疲れが溜まり、体力、気力、免疫力が落ちてしまいます。家事やレクレーションに当てる時間が減って行きます。結果としてミスが生まれアイデアも出なくなり病気も発生します。日本は先進国の中で最も単位時間あたりの労働効率の低い国でもあります。 社員が滅私奉公してるのに業績が伸びないことに気がついて労働時間を減らす企業も出始めてはいますが、この状態はまだまだ続くと予想出来ます。
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少子化が問題になっています。それを解決するために産休や育休の充実、育休後の職場復帰をしやすくする、保育園の整備、育児手当の増額とかが叫ばれてはいます。でも、父親に子育てにかかわる時間がないのが大きなの原因であることに気がついている人は少ないのです。産休育休があり、母親になれば定時やその前の時間で仕事を終えられる企業は増えています。しかし、それで喜んではいられません。母親は保育園にあずけた子供と夕方に帰宅します。それからから深夜に父親が戻って来るまで数時間待って、帰ってもボロボロに疲れていてすぐに寝られてしまって、けっきょく家にいる間はずっと、一人だけの子育てと仕事の両立が、毎日毎日続くのです。彼女は二番目の子供を持ちたいとは思わないのです。
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行きすぎた長時間労働の風潮はなくさねばなりません。
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いそがしく仕事をする現代の職業人達に月に一度の山登りを勧めようと思います。休みの日は寝坊して、ゆっくり身体を休めるのに使って下さい。でも、一ヶ月に一度だけ、早起きして山に行きましょう。そのために仕事の段取りをしましょう。それが出来ない場合は、半日でもいい、二時間でもいいからなんとしても一ヶ月に一度、山に行きましょう。街じゃなくて山です。身体と心がリフレッシュされるから、その方がぜったいに「いい仕事」が出来るのです。体調が良くなり生活習慣病なんかも防げて健康になります。
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月の一度の山登りは今から準備すれば四月にはスタート出来ます。Let’s start!  (J記)

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