丹沢三昧
5/23勘七の沢遡行→源次郎沢下降
5/24セドノ沢右俣遡行→セドノ沢左俣下降
(雨天によりセドノ沢左俣遡行→書策新道下降に変更)
メンバー 5/23 M氏 K郎 5/24 KA氏 K郎
丹沢の沢は比較的短い沢が多いので、遡行と下降を組み合わせ、表丹沢を中心に沢登りに行ってきました。
大倉バス停から一時間半ほど歩き、勘七沢の出合いに着く。今日は晴れているせいか、入溪点には我々のほかに二組ほど遡行者が見られた。
勘七の沢で最も難しいとされるF1 5mは確かに出だしの数歩は難しいが、落ちたところで釜にドボンするだけで、釜も十分深いので怪我をすることは無い。今日は源次郎の下降が控えているので、ロープを出すかどうかは時間とも相談しながら決めるため、F1はロープ無し。その後も深い釜をへつったり、水流を直登したりと続々と現れる滝を嬉々として越えていく。
沢は遡行者にわんこそばのように繰り出す様々な滝のどこをどう登り、どう巻くか瞬時に判断していくのがおもしろい。
途中の連続する堰堤は一つ一つ越えたが、左岸にいくつかまとめて巻ける小径を発見した。ただ全てを巻けるかまでは確認できず。
核心のF5大滝15mを越えてからは徐々に水流は減り、最後は花立山荘を目指して枯れた沢筋を忠実に詰め、山荘の裏側にでる。
山荘の前は多くの登山客で賑わっていた。ここでザックをおろし、地図を差し替え、源次郎下降準備に入る。一応靴もスパッツも全部脱いで蛭チェックをしておく。
次は源次郎沢の下降だが、小屋から登山道を少し登ると右側に明瞭な小尾根が東に延びているので、地形図から源次郎沢下降の取り付きはこの尾根からに間違いないと判断。足元の踏み後もそれを裏付ける。下降を始めると草つきがガレに変わり、周囲も徐々にではあるが沢筋の地形をなしてくる。落石に注意しながら順調に下降を続け、大滝10mで懸垂の支点を作り、滝を降りると・・・明日合流予定のKA氏とばったり遭遇!なんでもKA氏のパーティは予定より早く終了したため、パーティ解散後、我々が下降している源次郎を遡行してきたそうだ。その後行動を共にして、無事に源次郎沢下降した。結局ロープを使ったのは、大滝での懸垂下降だけだった。
この日でM氏とは別れ、私とKA氏は大倉バス停付近にテント泊する。夜9時頃ふと目を覚ますと、ザーザーと雨が降っている。とりあえず明日は中止の見込みが高くなったので、明朝から合流予定のHO氏に、沢中止の連絡をしておく。
翌朝は小雨になったため、水流をみて最終的に中止にするか判断しようということで戸沢に行ってみると、まぁ少し増水したかなという程度なので、セドノ沢を左俣に切り替え、雨で岩盤がもろくなっていると思われるガレ沢のツメを中止し、沢の上部を横切る書策新道までと決めて、遡行を開始。こちらも勘七同様、様々な表情をもった滝が現れ、非常に楽しい。核心の13mの大滝は、左壁に残置が見えるが、ルートが読めるのは右壁なのでこちらを登っていく。雨で濡れ、黒光りするコケのった岩の突起は明らかに滑りそうだ。慎重に足を置いて登っていく。
その後の8mの滝はKA氏によるリードで突破。大滝よりは低いが、こっちは垂壁なので高度感があるし、丹沢の石質はがっちり握りこむとボロっと取れてしまいそうで、これまたやっかいだ。ホールドを一つずつ確認しながら登る。この滝を越えて少し進むと、書策新道が横切っており、なんだかあっさりと終了してしまった。最後まで詰めたい気持ちもあるが、昨日の遡行からも、丹沢の地質は奥多摩や奥秩父よりガレが崩壊しやすいと判断、これでよかったのだと納得させる。
新道はところどころ視界が開ける。今日は雨時々曇りといった天気で、麓に見える雨雲がぷかぷかと浮かんでいる。
50分ほどで戸沢に到着。ここで再び蛭チェックすると・・沢靴を登る蛭を発見!今回、丹沢の蛭除けに持ってきた自家製飽和食塩水スプレーを吹きかけると、あっという間に剥がれ落ちて、のた打ち回っている。思いのほか効果があったので、これから蛭が増える時期はこれをズボンやスパッツに吹きかけていこう。
雄大な渓谷美の奥秩父や、苔むした緑豊かな奥多摩の沢も好きだが、登攀要素の強い滝をガンガン登っていく楽しさは丹沢ならでは。今回中止となったセドノ沢右俣も含め、再び丹沢の沢を登ってみようと思うのでした。
今回、丹沢で最も驚いたのは、支流の出合いや滝に、名称プレートが設置されていることでした。
西沢渓谷のように、プレートどころか舗装道まで整備する沢もあれば、ハーケンとかを定期的に抜いて、なるべく自然の状態を維持する沢もある。誰でも気軽にその渓谷美を楽しめるという点では前者だし、自分だって沢を始めた頃は、残置にどれだけ頼ったことか。しかし沢の景観という点では後者が正しいと思うし、優美な滝にハーケンがベタ打ちされ、スリングが垂れ下がり、この滝は○○です、とか書いてあるのはけっして感じがよいものではない。山域や沢によって、適用されるルールは変わってくるだろうが、個人的には山に残す物は個人・パーティレベルで登る範囲内で、必要最低限の残置にすべきではないだろうかと思った。
事後報告
不幸にもKA氏は家に着いてから両足首に食らいついた蛭を発見。
私は大倉での夕食時に左手の甲をアブに喰われ、手がゴム手袋のように腫れてしまい、しばらくグーができなくなりました。
K郎
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