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October 31, 2009

ひたすらスラブ登攀 西ゼン

2009/10/24 魚野川仙ノ倉沢 西ゼン (曇り)

林道ゲート前6:30→入渓7:20→東ゼン西ゼン出合8:20→最後の二俣9:50→平標山11:30→林道ゲート前14:30

今回は壮大なスケールのスラブ滝を登ってみようと、上信越の沢、西ゼンをKAI氏とともに遡行してきました。
早朝、車で川沿いの林道ゲート前に着くと、別パーティも西ゼン遡行の準備をしている。今日は晴れ予報なので、遡行者も多いのだろう。こちらも入渓点までの地図を確認し、行動を開始。
左岸の林道歩きに始まり、途中でつり橋を渡って右岸の登山道を進む。入渓点は樹林帯の中を二つの川が流れているが、遡行すればすぐ上流で合流し、川幅が広がり一気に視界が開ける。
はるか遠くに平標山と目指す西ゼンが見え、周囲は燃えるような紅葉が広がっている。紅葉最盛期を迎えていたようだ。
このすばらしい景色の中を、粛々と川の中を歩き、東西ゼン出合いに着く。
出合いに構えるビックなスラブ滝から、この先に控える第一第二スラブ帯のスケールに期待が膨らむ。
遡行図の天然ウォータースライダーが楽しめるとある滝も、
晩秋の時期にどっぷり川に浸かる物好きもいないだろうとほくそ笑みながら、
6mほどの滝を登っていき、乾いた岩から水線上に足を置いた瞬間だ、
ツルっと足を滑らせ、カニの甲羅のようにつるつるな岩に、なすすべもなく一気に滑り落ちて釜にどっぷりと浸かる!うわぁ冷た~!思わぬ西ゼンの洗礼をうけてしまった・・。
通常水線中央はコケが少ないものだが、ここはスラブ滝で極端に水量が少ないから、水際と同じくコケが発生しやすいのかな。
水線上は注意しながら特に問題なく第一スラブにたどり着く。見上げると山頂付近からほぼ一枚岩で構成されたようなスラブに一筋の水流が見事な滝を形成しており、その壮大な滝に圧倒される。途中樹林はなく、ここまで明瞭に麓から山頂までの沢筋を目視できる沢も珍しい。

第一スラブ帯もはルートを誤らなければ特に難しいところはないが、いかんせん
高度感があり、滑落すれば一気に下まで転がり落ちるなぁ・・という妙な恐怖感がある。
第一スラブ帯と第二スラブ帯の間にはいくつか滝があるが、基本的に直登可能で、巻き道もある。
一箇所右壁の踏み跡から高巻いたところ、どんどん沢筋から離れていくので、やむを得ず残置スリングのある木から懸垂下降したが、ルートの取り方によってはロープを使うまでもなさそうだ。

第二スラブ帯は、第一スラブ帯より傾斜が増すとあるが、右岸はバンドが多数はしっており、さして難しくはない。
ふと振り返ると滝は遥か下まで続き、紅葉が谷川岳山域全域に広がりその眺望は壮観だ。

第二スラブ帯も無事に突破して、いよいよ源頭部の二俣(1:1)にたどり着く。
遡行図によれば、ここから右俣を進み、背丈を越える熊笹の猛烈な藪漕ぎを強いられるとあるのだが、いくつかの少ない記録では、左俣は仙ノ倉山と平標山のコル付近まで沢筋が続き、藪漕ぎはほとんど無いらしい。
計画通り今回は左俣を選ぶ。左俣の先にもいくつか二俣はあるが、コンパスと地形図を見ながらルートを選ぶ。すぐにある二俣も左に進み、最後の二俣はもうコルが見えているので、左右どちらを選んでも問題はなさそうだ。(我々は左俣が藪に覆われていたので右俣を選んだのだが、地形図としては左俣のほうがコルの最低部にたどり着きそうだった。左俣コースも知りたいところです)
ちょろちょろと流れる源頭部のこの水の一滴は、新潟の穀倉地帯を潤す魚沼川支流の最初の一滴だ。魚沼産コシヒカリもこの水で育つんだなぁ・・と感慨に耽りながら、賞味する。源頭の水というのはどうして、こうも甘くておいしいのか。ここで水を補給して歩き出せば、伏流となって水の音は地中に潜り、ついには枯れ沢となって音が消える。だがすぐ先の稜線は遮るものの無い風のパラダイスだ。水の音の世界が、風の音の世界に切り替わる瞬間、不思議な感覚だなと沢登りではいつも感じる。枯れ沢を抜けると熊笹はもう膝くらいの高さにあって、さして苦労することもなくコルにたどり着いた。
コルで沢装備を解除していると、尾根上には途切れることなくハイカーの姿が見られる。

コルから膝栗毛に鞭打って平標山山頂までもう一息。山頂は360度の素晴らしい眺望。山頂には西ゼンの別パーティも休んでおり、右俣の藪漕ぎが相当つらかったそうだ。果たしてどのくらいきついのだろう。

尾根を下る道すがら、西ゼンを見下ろし、改めてそのスケールの大きさに驚く。
急峻な尾根を一気に下り、朝の川沿いの登山道から駐車場へ戻ったのでした。

噂に違わぬ壮大なスラブ滝に、上信越の沢のスケールの大きさを実感する沢登りでした。 文:K郎 写真:KAI氏

1-2紅葉の西ゼン下流域
3下流域の滑滝
4永遠と続く滑滝
5途中の滝
6見下ろす西ゼン
7写真で捉えきれない壮大なスラブ帯
8ふと振り返ると。。。
9源頭付近。遠くに見えるのが平標山
10コルまじか
11平標山山頂
12山頂からの景色
13下山路
14下山途中から見た西ゼン
15下流域の紅葉

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October 19, 2009

横尾本谷右俣~南岳

                      (2009.10.10-12)     投稿者:shoujohanne

10月10日からの三連休を利用して、横尾本谷右俣から南岳、氷河公園へと周遊してきました。紅葉にはちょっと遅かったですが、好天に恵まれ『槍・穂高最後の楽園』といわれるカールを満喫してきました。

同行者は、横浜時代の職場の仲間のAKさん。
以前は、横浜の社会人山岳会に所属し、20キロのザックを担いでテント縦走をしたり、雪山・沢登りもこなしていた強者です。
最近は仕事が忙しく、山に行く頻度もぐんと下がってしまったものの、CW-Xとアミノバイタルを武器に見事に復活しました。
日本酒についても大変詳しく、私の利き酒の師匠のようなひとです。
近々、Timtamにも入会するそうですので、よろしくお願いします。

初日は横尾山荘が満室で徳沢ロッジ泊でした。朝4時起きで出発。
モルゲンロードの前穂・明神岳を見ながら、横尾、本谷橋へと進みました。
途中、本谷橋手前から横尾谷を通して、南岳がドーンと立派に見えました。

本谷橋からはいよいよバリエーションルート。
涸沢出合いまでは左岸を行きましたが、岩に阻まれて登る巻き道がかなり険しい。
ハッキリとした踏み跡はあるし残置ロープも垂れているのですが、それでもなかなか大変でした。
さらに進むと、本谷の二俣。
我々の他に2パーティーがいましたが、いずれも左俣からキレットへと向かって行きました。

二俣を過ぎると川幅も狭くなり水量も減ってきます。あとになって考えれば、この辺りで沢靴に履き替えた方がずっと快適に早く進めたと思います。(我々はF1を越えたところで靴を替えたので、無駄な高巻きをしてしまいました)

明るく開けた沢をつめていくと、最後にF2が見えてきます。青空を背景に真っ白い水が落ちている様は、まさに『天空から落ちる滝』でした。

そして、小さなF2を越えると、いきなり目の前に本谷カールが広がります。
『黄金平』と呼ばれるその風景は、何度もネットの写真で見ていましたが、やはり本物は別格です。
三連休にも関わらず、この圏谷にいるのは我々だけ。

大休止をとり、その後、横尾尾根の天狗のコルに向けて登ります。

本谷橋からカール末端までが約4時間半。カール末端から天狗のコルで一般道と合流するまでに2時間弱かかりました。

その後は、尾根を南岳まで登り南岳小屋泊。
翌日は氷河公園(天狗原)経由で上高地に下山しました。
(南岳小屋は自炊スペースが大変狭く、担ぎ上げた食材を生かせなかったのが心残りです)

写真1、横尾谷から望む南岳の雄志
写真2、右俣F2手前。青空を背景にした小滝を超えると、カールに飛び出します
写真3、カール末端。滝を越えたとたんにこの景色!
写真4、モレーン下部。本谷の源流がこんこんと湧き出ています
写真5、南岳への尾根で見たブロッケン
写真6、槍ヶ岳を映す天狗池

※ この他の写真は、こちら

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October 14, 2009

10/12二子山の写真(500326の男撮影)

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October 07, 2009

秋の焼岳

「個人山行」転じて、個人の山行として行ってきました。

10月4日、朝発日帰り。
中の湯温泉の上の旧国道沿いの登山口から、標高2000m付近のりんどう平を経て、北峰山頂へ。

樹林帯の中をのんびり1時間半ほど登ると、いきなり視界がひらけて、正面に焼岳の双耳峰が現れました。(実は北峰は後ろに隠れて見えていませんが)クマザサの緑とナナカマドの赤、ダケカンバの黄色のコントラストが見事です。空は、雲ひとつない秋晴れ。りんどう平から焼岳山頂までは1時間半くらいのコースタイムですが、立ち止まって景色を眺めたり写真を撮ったりしながらで、2時間ちょとかけて登りました。

頂上は、多少風があるものの、のんびりお茶をするのに最高のコンディション。というわけで、かなりの混雑。1時間近く寛いだあとに、焼岳小屋経由で上高地に下山しました。

下りは焼岳小屋までが1時間。 小屋から上高地の登山口までが1時間15分でした。途中、20-30人位の団体さん2パーティーとのすれ違いがあり、ちょっとうんざり。それでも2時には上高地に下山しました。

帝国ホテルまで歩き、そこでタクシーを呼び中の湯まで。帝国ホテルでは玄関先にボーイさんが出ていて、みすぼらしい格好でやばいかなぁと思ったのですが、なんと、向こうから声をかけてきてくれて、おまけにタクシーまで手配してくれました。汚い格好にもかかわらず、帝国ホテルの玄関先で、ボーイさんにタクシーのドアを開けてもらっての乗車。

中の湯の上の登山口までは3500円で、ちょうど沢渡まで出るのと同じ料金でした(一人だと割高ですが)。 車を回収したあと、中の湯でお風呂を頂いて帰りました。(投稿者:どくとる・てぃっぷる)

写真1、焼岳への登り
写真2、南峰へと通じる、西側の尾根
写真3、木々の隙間から、穂高連峰も見えます。
写真4、北峰と南峰のコルに近づくにつれ、迫力ある噴煙が迫ります。
写真5、南峰北側の火口湖。
写真6、頂上に向かう
写真7、頂上からは360度の展望。眼下には梓川と上高地。

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