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June 21, 2017

湯檜曾の湯蔵山(松浦)

 上越線の湯檜駅の下りホームから北西方向に立ち上がって行く尾根が取付きです。雪崩柵が4段も設置されている急斜面で、尾根の右と左の端の2カ所には日和田山の男岩南面みたいな岩場が露出しています。ホームから線路を渡って尾根を捉えることも出来ますが、本日は「地図読み山行」の講習会なのでNGです。湯檜駅から国道291を土合方面に50mほど歩き湯檜川にかかる鉄橋の下をくぐって線路の反対に出ました。雪崩柵を作るために作られた線路ぞいの藪に覆われた道を駅方面に50m戻り、尾根の末端をとらえました。昔はここに登山道があったようですがまったく形跡はありません。丹沢や奥多摩の尾根だったらどの尾根でも見つかるような踏み跡もありません。左右の岩場を避けてその中央を、雪崩柵を2つ乗り越え、柔らかい土で2~3cmは潜る感じの所にジンワリと足を置き、木の幹つかみながらの登りでした。

 標高700mまで登ると尾根はなだらかなになり、西南西に向きを変えます。このあたりから尾根の上に踏み跡や土地の境界の標識が出てきます。791mピークと830m地点に送電線が通っていて、その両者を結ぶ尾根上は灌木を切り払って送電線の巡視路が作られています。道は大穴スキー場の方から登ってきているようです(未確認)。

 尾根上の830m地点から先で巡視路は消えました。ぶなの森の下は低木や中木群落を発達させないようです。なので、くるぶし程度までにしか伸びていない下草を踏み分けての藪コギとは言えない程度の藪コギでした。時々、踏み跡が見つかります。

 今日は6月11日の日曜日、東京はもう梅雨入りしています。でも、ここ群馬の湯檜曽アンド水上のあたりは、まだ前線の北側の冷たく乾いた空気が覆っています。涼風の中、葉っぱ群を透過する青空からの光はグリーンシャワー。
 「ワー、ぶなの森って、すてき~!」同行者の歓声が聞こえて来ました。

 900m付近で尾根は西北西向きに変わり、1100mの所に崩壊寸前の高床式の小屋があって、そこで天神尾根に乗ります。天神尾根は谷川岳から南東に向かい天神平スキー場、高倉山、湯蔵山、今倉山を連ねて水上駅に下る長大な尾根です。谷川に向かう主稜線というべき尾根なのに、なんと、あまり登山されてない、赤テープが一つもない、道がない。
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 天神尾根を北北西に登り詰めます。1150mと1200mの地点で両側がガレた細い尾根になり頭上の大きな木がなくなり視界が開けます。遠く尾瀬方面の山脈が眺望出来ました。2013年1月20日にホワイトバレースキー場から上がってここまで来て吹雪で撤退したことがありました。その時、ここは雪のナイフリッジになっていて通過が大変でした。細くて切り立っているので、灌木しか育っていない所なの
です。
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 さらに130m登ると湯蔵山に到着しました。な、なんと、2万5千分の1の地図に山名が乗っていて、高さも1334mあるのに山頂の標識がない、地元の山の会などなどの作った、手作りの標識もない。
 「初めて、山頂に何も書いてない山に来た。初めて・・・!」大きな声を出して言ってしまった。
 「雪が深くて、眺望がないから人が来ない山なんだ!」とも。
開けた眺望はないけれど、樹木の間から谷川岳が見えました。谷川岳は高速道路からも見えるけれど、ここから見るとよりカッコよく見えるから不思議です。
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 崩壊寸前の高床式の小屋までは往路を戻りました。そこからは下りの地図読み行、下りの地図読みは難しいけれど、今回はスマートフォンのGPSを持って来てくれた人がいるので安心でした。地図と磁石と時々GPSを見ながらホワイトバレースキー場まで下りました。ゲレンデトップは樹木がなくて谷川岳の全貌が望めました。森から出て、いきなり見る谷川岳は「『近くて』よい山」でした。
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 ゲレンデトップを南にトラバースして藪を切りあがると今倉山1036m、ここには標識がありました。
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 「今倉山からの下りは道がある」と思っていました。でもないです。藪です。ぶなの林が終わり灌木の藪の下り、少し歩きづらいです。つつじの花の群落が所々にありでした。花は見てるような見てないような、コシアブラには目を皿のごとくして、ついでに調理もせずに食べてたのは誰でしょう?
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 南南東に下り900m付近で南西に向きを変え830m地点で送電線の鉄塔に出ました。送電線の鉄塔からはりっぱな巡視路が尾根の末端まで続いています。
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 ここらあたりの天神尾根は地元では鉄塔尾根と呼んでいるようです。その鉄塔尾根を350mほどのんびりと下り、水上から谷川温泉に向かう舗装路に出て終了しました。
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  水上から湯檜曽まで路線バスで戻りました。
 「どこの山登って来たの?」とバスの運転手さんが聞いてきました。
 「ユグラヤマ」と答えると。
 「知らないな~」だって。
 「あそこ、あの鉄塔の見える尾根の先!」と説明したら。
 「熊いなかったかい?」と言われた。

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