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September 04, 2017

8/29東黒沢(文:M浦 写真:N嶋)

 谷川岳周辺には素敵な沢がたくさんあります。私が行った中でお勧めなのは湯檜川本谷、ナルミズ沢、西ゼン、といった所です。行ったことはないのですが、万太郎谷もすごく良いそうです。
 行ったことがあるといっても1回だけです。そんなに遠くないのに、何度も行けないの理由は、1泊2日の長丁場であることに加え、谷川岳周辺の天気の悪さです。低気圧が来てる時だけでなくて、西高東低の気圧配置の時も、東京では晴天なのに、天気が悪いです。移動性高気圧が来てる時と、梅雨前線(秋雨前線)が日本の太平洋岸まで南下している時が狙いめです。天気が良くても5月と6月は残雪と大量の雪解け水でNG、7月と8月はたくさんの刺す虫がいて、それに植物の勢いが強くて、なぜか防備しても「かゆくて、かゆくて」NGです。
 なんとか谷川岳周辺の沢の魅力を伝える所はないものかと数年考えました。白毛門沢を候補に挙げたこともあるのですが、谷川岳周辺の稜線部分は多量の雪と強い季節風で樹木が育たず草原や岩場になっていて、雨が降ると一気に水嵩が上がります。初心の方を伴ってその水嵩が上がった状態から、雪のため下方向に曲がってから立ち上がる笹竹や樹木の急斜面を登って尾根に逃げるのはとっても大変なことが想像できるのでNGなのでした。
 
土合駅~東黒沢~広河原(宝川)~うつぼぎ沢~白毛門山~土合駅と環状につないだことがありました。難しい所がなくて広河原から宝川温泉にエスケープ出来るので初心者の方が何人も混ざっていても安心して行ける良いルートです。でも1泊2日の長丁場でラストに白毛門山の急勾配を下るのは、月に2回は10時間行動の山に行くようなタイプでないとつらいものがあります。
 今回の写真を撮っていただいたN嶋さんは沢の入り口まで車で行き、沢をつめずに同沢を下降して車に戻るという沢登りスタイルを多く行っています。曰く「同じ沢でも登りと下りに別の表情があり、何より日帰りで楽しめ、結果としてとにかくいっぱい沢に行けるのがいい!」とのことです。「そ、それだ!」ということで、そのスタイルを取り入れ、谷川岳辺の沢に日帰りする企画が出来上がったのです。

 朝1番の新幹線で上毛高原駅に来た人と、車で参加する人と合流しました。駅からは車に分乗、一気に白毛門山の登山口である土合橋駐車場(土合駅よりロープウェイ方面に、踏切を越えて右にカーブ、湯檜川を渡る手前右折)に着きました。
 駐車場で沢の支度をして、白毛門登山道を行くことわずか30秒で東黒沢の左岸につけられた踏み跡(りっぱな道)に入り堰堤を越えた所から入渓谷、30分ほどで広い河原のゴーロを行くと鼻毛の滝に出合います。

Photo

 鼻毛の滝のあたりはキャニオニングのツアーが1日2回やってくるので踏み跡だらけになっています。その踏み跡から滝の左を登ります。中間支点は灌木を使います(ハーケンもありますがあまり信用しない方が良いです)。滝の上に出ると、そこから奥の二俣まで、ひたすらナメが続きます。笛吹川の東沢のナメよりも、巻機山の米子沢のナメよりも、まして秩父のナメラ沢のナメよりも、とっても大きなスケールでナメが続きます。そのナメをヒタヒタと歩く時「ワーッ!」とか「ヤヤヤ!」とか同行者から歓声が上がります「カシャ!カシャ!」シャッターの音が聞こえます。オット、沢の音で聞こえないけど聞こえてるような気がします。

 30分ほどで白毛門沢出合いです(下の写真の左が白毛門沢)。ケルンが積んであるのでそれとわかります。白毛門沢はガイドブックには1級上のグレードがつけられています。1級と聞いて簡単に思わないでいて下さい。丹沢や奥多摩の1級の沢と異なり「エスケープルートがみつけにくい」と知って取り付いてほしいです。

Photo_2

 白毛門沢を左に見ながら東黒沢を進みます。最初の滝で、出さなくてもいいけど練習なので、ロープを出しました。ロープウェイ方式{フリクションヒッチ方式(アッセンダー方式)より登る人が楽しい(長所)、人数が多いと時間がかかる(短所)}、支点の作り方(超強く作る)と、その方向(支点とビレーヤーとクライマーが一直線)が伝えたいことです。ついでに渡渉のロープワークも伝えました(下流の河原からビレー器を使わずにロープを手に持ってビレー、渡渉者が流されたら一気に河原に引き寄せます。人数が少ない場合は初めから2分の1システムを作って置きます)。

Photo_3

 あと1回ロープを出す滝がありましたが、とにかくナメが続きました。

Photo_4


Dsc_0221

 13時ごろ、奥の二俣を折り返し点にして戻りました。

 同じルートの下降ですが、わずかに景色が変わって見えます。50mロープを2本持っているので、長い距離で懸垂下降が出来ます。なので、心強い感覚が体を支配します。安心して下降出来るということは、ちょっとした所で滑ったりしにくいのです。でもでも、一人一回から三回は、ナメに足を取られて滑って転んでいたのでした。私も「一回だけ」転んで、メンバーみんなに見られてしまいました。転び方がうまいせいか・・・痛くなかったです。

Dsc_0224

 懸垂下降を2回しました。捨て縄が4本ほど残っていました。けっこう懸垂で下る人がいるようです。ロープの回収時に擦れて摩擦熱で溶けている可能性があるので、自分達も新しく捨て縄をセットしました。

 鼻毛の滝からの右岸(上から見て右)に巻き道がありしっかり踏まれていますのでこれを利用、鼻毛の滝を巻いた後は左岸に踏み跡があって駐車場まで続いていますので、さらにこれを利用して一気に出発点にもどりました。15時到着でした。

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