1gでも軽く,1秒でも早く,1回でも多く(登山教室Timtam)
登山教室Timtam&Cueは学ぶ所ですから、教育目標が一番先にあります。入会案内の始めの部分でその目標を再確認しますと、それは単純、「とにかくたくさん山に行く登山者を目指す」です(冒頭に目標の書いてある入会案内はこちら)。
合言葉①・・・『1回でも多く』。
「とにかくたくさん山に行く」ためには、最も使う技術である「歩くこと」が、長時間そして長期間、行えなければなりませんから、軽くて背負いやすいパッキングが出来る登山者を目指さなくてなりません。
合言葉②・・・『1gでも軽く』。すべてのものをザックの中に入れる。
「とにかくたくさん山に行く」ためには、忙しても、なんとしても、山に行く時間を生み出さねばなりません。私の場合はなるべく前日のうちに翌日の仕事の準備をしておくとか、朝から、歩く道順まで考えて動く(仕事する)とか、職場の人に山に行ってると言わないとか(補足:言うと、なぜか、よけいな仕事や飲み会などが増える)、様々を、素早く出来るだけ合理的に行うようにしました。半日の日和田山ハイキングでも、仕事の帰りにクライミングジムに行って登らず横になって30分いるだけでも、山に行ったことにカウントしました。
先日の富士山五合目の雪上訓練で、グリベルやブラックダイヤモンドのアイゼンを使っている方が多かったです。それらは爪の性能は良いのですが、アイゼンバンドのバックルが低温の強風下で扱いづらく、モンベルカジタのそれの何倍も時間がかかっていました。アイゼンバンドだけ交換すると良いと思いました。同じく、5本指のオーバー手袋を使っている方が多かったです。5本指は作業効率が良く見えますが、保温力に欠けます。冷たくかじかんだ手で、時間をかけ、さらにオーバー手を外してアイゼンを着けている方も存て、つらいものがありました。カモシカの2本指のオーバー手袋がお勧めです(2020年12月はまだ販売していましたが,今後は3本指のみになるかも?)。
合言葉③・・・『1秒でも早く』。早いことでゆとりが生み出せる。
不要なものがいくつも入った重たいザックを背負い(肝心のビバーク用具は入っていない)、パッキングして出発までが遅い(登山関係の連絡に対する返信まで遅い)、忙しいとか休日にすぐ用事が入るとかで気がついたら半年山に行ってない(月2回山に行くのが目標,年に2回では登山は趣味とか生活の一部とは言えない)、なんて言うのでなくて、『1gでも軽く、1秒でも早く、1回でも多く』を心がける登山者を目指しましょう。
ロープウェイを利用して木曽駒ヶ岳の登る方が多いです。あまりに急速に森林限界の上まで出てしまうとその変化に対応できない場合があります。1g1秒1回の合言葉は時と場合と場所を選んで下さい。
<追加>
ビレー器としてエイト環を持つ時代は終わったかにみえます。ルベルソーキューブ,ATCガイドのようなセカンドの墜落を自動で止める器具は軽くて便利です。DMMピボットはさらにセカンド墜落によるテンションの解除がしやすいように改良されてお勧めです。
ピボットはセカンドをビレーするための吊るし金具が可動する。
ところが、沢登りで水流の中を行くセカンドのビレーの場合、水流に流されて鯉のぼり状態になった時のテンションの解除にはDMMピボットと言えども間に合わない可能性があります。ところが、エイト環でビレーしていれば解除は容易です。
エイト環は結び目通過が容易なので、2本の50mロープをつないで一気に100m下るなんてことが出来ます。便利なエイト環ですが110gあります、DMMピボットは70gです。そこで、岩登りの場合はDMMピボット(1gでも軽く)、沢登りの場合はエイト環(1秒でも早く)を持って行くということで使い分けるのが良いと考えます。二つ共持って行くのは過剰装備です。予備のビレー器具としHMSカラビナを持っているからです。
ハーフマスト結びはぜひ身に付けたい技術です。
ATCガイドのロック解除は十分な練習が必要です。
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