岩稜ルート、フォロワーのためのロープワーク(松浦)
花丸の岩稜ルートを挙げてみます。
1 槍ヶ岳北鎌尾根
2 北岳バットレス4尾根
3 西穂~槍ヶ岳
4 北穂東稜
5 奥穂南稜
6 前穂北尾根
7 明神東稜~前穂or五峰~前穂
8 南ア鋸岳
9 剣岳北方稜線
10 チンネ左稜線
11 八ッ峰縦走
12 剣岳源治郎尾根
13 剣岳小窓尾根or剣尾根
14 谷川岳南稜
15 谷川岳一ノ倉尾根
16 谷川岳滝沢リッジ
17 谷川岳東尾根(1,2の沢中間稜)
18 赤岳天狗尾根
19 横岳中山尾根
20 横岳小同心クラック
21 阿弥陀岳南稜
22 槍ヶ岳硫黄尾根
23 錫丈岳~笠ヶ岳
24 鹿島槍ヶ岳東尾根or天狗尾根
なんて所でしょうか。
岩稜ルートの場合はリーダーでなくてフォロワーで行くことが多くなりがちです。どうしてかと言うと
①有名ルートだったらリードしてくれる人が多くみつかる。
②有名ルート以外は岩が動きやすく支点も朽ちていて(下の写真参照)、初登攀でもなければ触手が動きにくい。
③残っていて評価の高い初登攀ルートは、一般に、難しすぎる。
④仕事などの環境条件の中、すぐに、行きやすい岩稜ルートは登りつくしてしまい、上記24の内6本も登れたら限界になる。
⑤岩稜ルートのリーダーとして成長する前に、ルート数の多い山行形態(地図読み山行,沢登り,フリー系クライミング,海外登山,等)に転じてしまう。
⑥周りで話題になるのは、西穂~奥穂、北鎌尾根、前穂北尾根ぐらいで、それが行ければOKと思う。
⑦初心者だから。
⑧岩稜ルート は落とし穴が多く、リーダーになる自信がない。
⑨山に行った次の日は絶対に休めない。山で怪我は出来ない。ビバークは困る。
⑩一般に、リーダーになる人の方が少ない。
といった理由があるのです。
フォロワーになることの方が多いのですから、フォロワーである対策をする必要があります。以下、フォロワーのロープワークをまとめてみました。
フォロワーのロープワーク
リーダーをビレーする
①エイトノットが出来る。
②ボディビレーが出来る。
③リーダーにストレスを感じさせないようにロープを出せる。
④落石の来ない位置に立てる。
⑤リーダーの墜落に引き込まれても大丈夫な位置に立てる。
⑥リーダーが墜落して動けななくなった時にテンションが解除出来る。
⑦リーダーがランニングビレーをセットする前に落ちて動けなくなった場合に対応出来る。
フォローして登る
①Ⅳ級プラス(日和田南面一般ルート、鷹取コの字北面左ルート)がゆとりで登り下り出来る(身のこなしとロープワークには相関性がある)。
②中間支点を回収して次のピッチで使い易いように携行出来る。
③ロープを登る自己脱出が出来る。
④支点にヌンチャクやスリングをかけてA0で登る知識がある。
リーダーの力量を見きわめる
①登り始めとトラバースでセカンドのための中間支点を作っているか?
②頑丈なビレーポイントを作っているか?
③ビレーシステムはその場に即しているか?
④セカンドがテンションをかけても振られない位置でビレーしているか?
⑤リードの際にロープが真っすぐに伸びて行くか(電光型にならないか)?
⑥ダブルロープを交差させずにリード出来るか?
⑦懸垂下降システムは頑丈か、ロープが回収しやすいか?
⑧行動や言動が科学的に正しいか(分らないことを分らないと言えるか)?
ビレーポイントにおいて
①セルフビレーが出来る。
②ロープの上下が把握できる。
③ギアを落とさないように受け渡せる。
懸垂下降
①ロープに振られないで下れる。
②空中懸垂が出来る。
③落石に注意が払える。
懸垂下降ロープのセット
①1人でロープの再セットが出来る(リーダーが下に降りてロープの回収が出来るか確かめたがNGの場合)。
②最も早くセット出来る懸垂下降を身につけている。
③最も安全な袋入れの懸垂下降を身につけている。
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