ATCガイドのロック解除(K澤)
まずは動画を見て下さい。
静止画でゆっくり解説します。
写真1 確保用の支点に軽量の安全環付カラビナを吊るします。
写真2 小さな安全環付カラビナをATCガイドの上の大きな穴にかけてそれを吊るします。
この吊るすカラビナに大きなHMSカラビナを使用する人が多いです。HMSカラビナを2個持っているからです。剣岳等の鎖場のあるコースに行くツアーの装備としてHMSカラビナが2個を指定されるのが原因かも知れません。HMSカラビナは大きいので鎖にかけられます。鎖にかけたHMSカラビナとハーネスをスリングで連結させ、HMSカラビナを鎖に沿ってカラカラ滑らせて移動させることで危険地帯を安全に通過出来るのです。しかしこのように使ったHMSカラビナは内側に多くのキズが入るので、クライミングのビレーには使わない方がベターです。HMSカラビナは一つあればよくて二つでは重いです。本稿を参考にして丸い芯材でロープが滑りやすい(操作性が良い)HMSカラビナと超軽量な安全環付き普通カラビナを購入されるのが良いです。ネジ式かバネ式かは一長一短があって好みですが、ネジの占め忘れさえなければ、普通カラビナにもなるネジ式に軍配が上がると考えます。
写真3 HMSカラビナを使ってメインロープをセットします。
写真4 Sはセカンドが繋がるロープで、Bはビレーヤーが引くロープです。
ちなみにビレーは英語(海事用語)で綱を持ち引くというような意味です。
写真5 ATCガイドの小さい方の穴に補助ロープを通して上の支点にかけます。
上の支点の位置がメインロープのテンションの方向の一直線上にあるのが理想です。上の支点の位置によっては解除出来なくなりますので、充分に実験して解除しやすい支点の位置関係を知っているようにして下さい。解除用の支点がみつからない場合はハーフマストビレー(キンクするので10m程度まで)かエイト環支点ビレーか、セカンドに正対してのボデイビレー(近年は支点折り返しビレーはあまり使われない)に切り替えて下さい。
写真6 黄色ロープを引いてロックを解除
黄色ロープは手で引かずビレーヤーのハーネスのビレーループに連結し、ビレーヤーがしゃがみ込むように体重をかけてジワジワと引くようにします。急にガクンと解除される可能性があるので、写真左下の矢印で示したロープを手でしっかりと持ちながら、黄色ロープを下に引きます。
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