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June 25, 2020

谷川岳・マチガ沢本谷(Jam!活動報告)

2020年6月 マチガ沢の本谷を登ってきました。谷川岳登山指導センターには東南稜で届けを出していましたが、当日の天候や状況から途中で本谷に変更し、国境稜線に抜けました。

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厳剛新道 第一見晴からのマチガ沢。 三日前に下見に来ました。三ノ沢まで雪渓が繋がっており、行けるところまで行ってみようと山行を実施しました。今日は先行者2名が雪渓を歩いていました。

写真②
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写真では分かりにくいかもしれませんが、傾斜が結構あり12本爪のアイゼンを使いました。

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二ノ沢の分岐 この先はガスで視界が悪くなりました。

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三ノ沢の分岐辺りで雪渓が途切れていて前に進めず…。シュルンドが狭くなっている良い場所を選んで右岸に逃げました。階段上で登り易いと思いきや逆層の滑り台で、アイゼンで岩の窪みやクラックを捉えないとスベスベで登れませんでした。

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そこで先行者に追いつきました。そのお二人はリード&フォローで、本谷方面でなくそのまま西黒尾根の方へ上がっていったようでした。今日のコンディションなら、そちらへエスケープも良いかと思いましたが尾根まではかなり大変ではとも思いました。

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再び雪渓に乗るとペースが上がります。ただ、下部と違って中腹はシュルンドが大きく口を開いていて気分のいいものではありません。

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本流沿いに行きたくとも、巻かないと登れない連瀑群があり、視界の悪い中でいかにルートから外れないように進むかが大変でした。

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濡れた谷川の岩はとても滑るので、結局最後までアイゼンを外さずに登りました。今日のコンディションは登攀に向かないと判断し、東南稜の取り付きをスルーして本谷経由で国境稜線へ抜けようと計画変更しました。

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要の滝辺りで、まずは左岸の東南稜の取り付きを目指して登っていました。本来この辺りならバッチリ見える東南稜が全く見えません。以前の記憶を頼りに進んだつもりでしたが、(たぶん)目的の取り付きより手前(東)の岩稜に導かれていました。

写真の所まで上がってみて、一息入れて考えタイム。3級程度の岩稜ですが、たぶん東南稜に合流するか東尾根に出るとしても標高差は150m位あるだろうし時間がかなり掛かるだろう…。未知のルートにて登れない部分に出くわすかも…。ガスに巻かれて雰囲気も良くない。下で沢の音が聞こえている、今なら50mロープ2本繋げば本流まで戻れる…。
「O部さん、ここは懸垂で下りましょう」
ピナクルとハーケンで支点構築して下りることにしました。

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懸垂下降中。写真左側の草付きのところが取り付きへのルートと思い、登って行ってしまった次第です…。

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あとはなるべく本流を外さないように登っていくのみです。

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マチガ沢にはホソバヒナウスユキソウと薄紫のハクサンコザクラがよく咲いてました。谷川を代表するホソバヒナウスユキソウは、天神尾根ではほとんど見ることができません。

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にわかに明るくなってきて、トマノ耳にいる人達の声も聞こえてきたような…。あの窪みが稜線ではないか…元気が出てくる。

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窪みまでいったら、まだ先があった…ちょっとガッカリ。

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無事に国境稜線にたどり着きました。一瞬だけ青空が見えました。

安全に登るとしたら適期ではないと思いますし、当日のコンディションも良くありませんでした。ヒヤリハットは無かったものの危険はすぐそばにあったと思います。熱中症の心配がなかったのが良かった点でしょうか…。良い経験ができました。

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