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July 24, 2020

フォロワーを目指す(沢登り編)(松浦)

まずは、岳人1992年10月号掲載した松浦の文を読んでください。

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山に登る理由(わけ) 
 一千万年前に、ヒトに近い動物といわれるラマピテクスが現れて、二本足で立って歩いた。二百万年前のホモハビリスは、簡単なものではあるが、道具を使い始めた。七十万年前、ホモエレクトスは火を使うようになった。十万年前のネアンデルタール人は洞窟に住み、衣服を着るようになり狩りをして暮らした。四万年前のクロマニヨン人は、洞窟に色彩のある芸術的な絵を残した。ここまで来ると、もう現代人とほとんど変わらない。
 約一万年前に大革命が起こった。農耕や牧畜の始まりである。農耕や牧畜は、自然の恵みだけを頼りに生活することに比べたら、飛躍的に安定した食糧供給システムである。この時からヒトは、自然界の食物連鎖のつりあいを離れ、生態系の中で他の生物と共存して生活することをやめたのである。
 この革命はヒトの生活も変えた。人口の増加、多人数の生活のためのルール、罪と罰、土地の所有、貧富の差、国家の成立、環境問題・・・などのことが生じた。
 そしてその後、わずか数千年の期間のうちに、科学技術を駆使した現代生活をクリエートするまでに至ってしまった。
 少なくとも数万年の単位でゆっくりと生活のパターンを変えてきたヒトにとって、千年のオーダーでの大変化は、早急にすぎた。環境の変化に身体の進化が追いついていけないから、様々なストレスが生じてくる。
 歩きたい、狩りをしたい、道具を使いたい、焚き火をしたい、縄張りの高い所にマーキングしたい 、といった原始の営みに端を発する様々な欲求を満たしてやらないと、このひずみからのがれることはできない。そこでヒトは、スポーツとかリクリエーションとか趣昧とか呼ばれる、他の生物のやらない生活様式を工夫考案したのである。
 レクリエーションとして山に登ることは、その工夫の一つであるといえよう。登山やハイキングは、原始時代の生活のシミュレーションをたくさん体験できるから、レクリエーションとして、大変優れたものである、といえる。
 かくて登山者は、増加の一途をたどることになった。

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ここから2020年の追記です。
6500万年前(白亜紀) 霊長類(サル目)が誕生
200万年前 人属(ホモ・エレクトス)が現れた
50~40万年前 サピエンス種の最古ホモ-サピエンス-イダルトーが誕生(10万年前に絶滅) イダルトーからホモ-サピエンス-アルタイが分岐(30万年前?に絶滅) イダルトーからネアンデルタール人が分岐(ネアンデルタール人はユーラシア大陸に拡散、約2万数千年前に絶滅)
20~30万年前 イダルトーからホモ-サピエンス-サピエンスが分岐
12~20万年前 大氷河期→アフリカ大乾燥→人類絶滅の危機 アフリカ大陸の最南端の島で漁猟採集生活わずかに生存
12万年前(間氷期) 気候が温暖化→アフリカ全域に再び拡散
7万年前 最終氷期に近づき、アフリカがサバンナ化 アフリカを出て東方アラビア半島へ移動した集団有り→湿潤寒冷に適応できずに絶滅
5~6万年前 アフリカを出て再びアラビア半島に移動 アラビア半島で先行のネアンデルタール人に出会う 交雑により寒冷地対応していたネアンデルタール人のDNAを得る(もっと前から交雑があったという説もある) インド半島の海岸沿いを通ってスンダランド大陸(現在のミャンマー・タイ・カンボジア・ベトナムの沿岸から、マレーシア・フィリピン・インドネシアからニューギニアにいたる島々の辺り)に向かい、そこで定住する者たちと、オーストラリアに到達した者たちに別れた
4万年前 アラビア半島から西ユーラシアに進出 西ユーラシアからアフリカに進出(戻った)
Id

ヒト(ホモ-サピエンス-サピエンス)がアフリカを出てユーラシア大陸に広がり始めたのは7万年前ぐらいからです。1万年前までには五大陸全てに広がったようです。旧石器文化の時代に、海を越えてニューギニアやオーストラリアへ移動しているのです。石器時代の洞窟壁画(年代は完全には測定されていない)に「舟(カヌー?)をこぐ人」が見つかっています。

ホモ-サピエンス-サピエンスは、体の変異淘汰でなく、衣食住の工夫や火の利用で環境変化に対応しながら、「集団で未開の土地に移動する営み」をずっと続けてきた哺乳動物です(進化論の適応放散としては変異淘汰が少ない)。移動した土地で子孫を増やさなけらばならないので、移動する集団の大きさは、老若男女合わせて少なくとも30人程度以上は必要だったはずです。

30人程度以上の移動と環境変化への対応ですから、リーダー、植物係、動物係、石器係、土器係、武器係、子守係、住居係、火の係、などなどの役目が必要だったでしょう。リーダーに限って言及すれば、リーダー1人とサブリーダー2人、つまり10人に1人程度はいたと推測します。逆に言えば、本能的にリーダーになれる人はあまりいなくて、10人に1人ぐらいしか見つからない、という推測になります。

専門性を持った老若男女のメンバーが集まって未知の野山谷海を宿営しながら移動する、それに最も近いジャンルは、現代の日本だったら、たぶん沢登りです。沢登りは、今(感染症対策で遠くの高い山に行くのを制限?された時期)、我々登山を趣味とする者達にとって、暑い季節に必然的に取り組みたくなるジャンルでもあります(沢は涼しくて岩っぽい)

登山教室Timtamはガイド協会の資格取得を目指している所ではないのですが、たくさん山に行った結果として、登山ガイド資格を取得された方が創立から24年の間に10名いらっしゃいます(Chiさん、Inoさん、Takeさん、Suiさん、Kamさん、Yanさん、Kobさん、Segさん、Takaさん、Saiさん)。でもその中で、沢登りのリーダータイプの人は1名しかいなくて、他の方はそれぞれ専門性(東北の山、群馬の岩と沢、八ヶ岳、三百名山、山岳医療、旅行添乗、海外、気象予報士、山岳文学、等)を持ったフォロワータイプです。期せずして、原始の時代の集団移動のリーダーは「10人に1人いるかいないか」の推測に符合しています。そういった人数比を元に考えると、「基本ステップの沢登り教室の講習目標」が自然の流れのように決まってしまいます。それは、「リーダーの育成を目指す」でなくて、「リーダーの使う技術がわかるスタンスで沢登りに出かけていけるメンバー(フォロワー)の育成を目指す」です。

沢登りではリーダーとフォロワーの連携は重要です。流水の音で10mも離れたら声がまったく聞こえなくなるからです。リーダーがメンバーから離れる前に打合せをしますが、打合せと異なることがあっても、それとわかってメンバーがフォローする場面も多いです(フォロワーにはリーダーの使う技術がわかるスタンスが求められます)。

沢登りは4人以上のチームで行うのが理想です。三人いれば水流にロープで吊られた人を引き上げることが出来る可能性が高いです。トラブルがある時は隊を二つに分けることが出来ます(フォロワーにはリーダーにトラブルがあっても、その場から自力で下山で出来る技術が求められます) 。

まずは、楽しく、そして、とにかくたくさん沢に行きましょう。原始から受け継ぐ何か(フォロワーとして育つための何か)が発現することを受けあいます。
ドーパミンとかオキシトシンとかアドレナリンとか、脳等から分泌される物質(ホルモン)も何種かがわかっているようですが、さらに加わるサムシングの発現です。
もし、自分の専門性(ちょっと得意で続けられる山での在り方)が見えて来たら、それを追求しましょう。

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<参考1>登山教室24年の経験値によれば、上記の求めをクリアしたフォロワーであれば、登山ハイキング地図にある赤線および破線の登山ルートでリーダーとなって行動出来ます

<参考2>登山教室24年の経験値によれば、 上記の求めをクリアしたフォロワーであれば、沢登りのリーダーを見つけること(or見きわめること)が出来るようになります。→参考(岩稜ルート、フォロワーのためのロープワーク

<参考3>登山教室Timtamではガイドとクライアントのロープワーク(ショートロープ・タイトロープ)でなくてリードアンドフォローのロープワークを伝える数少ない登山教室の1つです。

<参考4>哺乳動物は獣→ケモノ→毛物、ということで毛が生えています。ヒトは長距離を移動するために進化の過程で毛を超少なくしました。ヒトは衣類と汗によって温度調節が出来るので、暑い所でも、寒い所でも、数十日続けてでも、移動を続けられるのです。42.195kmも走れる獣はヒトだけです。

Neko
哺乳網食肉目で最も機能性が高いネコ科→短距離は最強ですが、長距離には向きません。

Kamoshika
カモシカは偶蹄目、偶蹄目の胃袋は反芻中に発酵して発熱します。カイロを持っているみたいで寒さに強いのです。

Yamame
ヤマネは齧歯目、恐竜の時代(中生代)から哺乳類(小さな齧歯目)はいた。

Risu
リスも齧歯目→期せずして、どんぐりを植林します。

Koumori
コウモリは翼手目、核戦争等で人類が絶滅するとアフターマンとなるのはコウモリだとか?

Sika1
鹿は偶蹄目です。蹄動物の偶蹄目は繁栄し奇蹄目は少ないです(ウマとシマウマとロバの3種のみ)。

8kuma

クマを撮影するのはコワイです。食肉目(=ネコ目)のクマ科です。


Okoji
真砂沢小屋で会ったオコジョ、食肉目のイタチ科です。

 

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