コロナ禍でも山の自然に変わりはありません(松本分校 千島 康稔)
ご無沙汰しております。松本分校の千島です。
ここ数ヶ月、なかなか講習会の企画を立てる意欲もわかず、3月以降はほとんど山に入らないままに過ごしておりました。
そんな中、以前から懇意にしていただいていた山小屋、北アルプス「大天荘」に医療ボランティアとして滞在させてもらうことになりました。
7月中旬の小屋開け前から入山し、途中所用で数日間下山しましたが、お盆明けの今月19日まで30日以上を過ごさせていただきました。
医師という立場で、これほど長期間にわたって、ひとつの山小屋に滞在する機会はなかなかないかと思います。
診療所のような設備があるわけではなく、特別な医療材料も持参していません。積極的に診療するというよりは、むしろ、普段山小屋の人や遭対協の人が対応していることに、医師としてアドバイスをしたり手を貸すことができればという考えでした。
実際に「医者」として活動したのはほんの数回に過ぎません。どちらかというと、「売店のお手伝いのおじさん」として過ごした時間が大部分です。生ビールも注げるようになりましたし、売店の商品の値段も覚え、品物が少なくなったときは倉庫から探して補充することもできるようになりました。
おかげで、登山客としての通りすがりの医者や、診療所医師としての短期滞在とは違った、小屋で生活する者の目線でいろいろなものを見ることができた気がします。
「居てくれるだけで心強い」と言っていただけることはありがたいですが、こちらとしては、なんとも申し訳なく、恥ずかしいかぎりです。
そんな中で、ふと気づいたこと。
コロナ禍にあり、各山小屋がいろいろと工夫し、お客さまにも普段の山小屋とは大きく異なる環境でお過ごしいただかざるを得ない状況ですが、「山」自体は全く変わっていないということです。
壮大な山容、稜線を渡る風と雲、足元の花々・・・
そして、その変わらぬ自然を楽しんでもらうために、山小屋を開けているということの大切さ。
赤字覚悟で、「登山の文化」がコロナに負けないように頑張っている山小屋もたくさんあります。
そんなわけで、
「居てくれるだけで・・・」というおだてに乗って、26日にまた大天荘に登る予定です。
今回は9月の三連休明けまで一ヶ月弱の予定。今シーズンは通算で約二ヶ月の滞在になりそうです。
9月下旬には下山して、また松本分校としての活動を再開したいと思います。
もし、「ここに行ってみたい」という希望がありましたら、是非お知らせください。松本分校企画として検討させて頂きます。
なお、大天荘滞在中の様子はこちらにも公開してありますので、ご覧いただければ幸いです。
https://www.facebook.com/ti.sangakusha/
登山教室Timtam松本分校
登山教室時季彩山学舎 千島 康稔
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