2人で懸垂下降(杉原六郎)
「背負う」「抱きかかえる」「自分の下に吊るす」など、2人分の体重がかかる懸垂下降のロープセットには次の方法がある。
左は「ハーフマスト2回ひねり」、右は「エイト環2回がけ」下は「2連カラビナ懸垂」
ハーフマスト2回ひねりははげしくキンクする。エイト環2回かけはキンクも少なくしくみが単純でトラブルが少ないのでお勧めしたい。でも、最近はエイト環を山に持って行かない人が多い。エイト環が無い場合、数メート程度の短い距離ならハーフマスト2回ひねり、距離が長くて、カラビナが十分にあるならば2連カラビナ懸垂が良いだろう。ロープと直角に上の写真では2ヶ入っているカラビナの数を変える(例3ヶにする)と制動力を調整出来る(3ヶなら制動力は大きくなる)。写真では同じ形で2連にしているが、D型カラビナの向きを2連のどちらか一方を上下逆向きにセットするとさらにロープのキンクが防げる。
左が救助者で右が負傷者(救助者の下に吊るす場合)のロープセット(救助者はシステムから脱出することが出来る)。負傷者を背負う場合は下の★・・・★の方法を使う方がベターだが、その方法のための補助者がいない場合は 左の赤スリング側をもっと長くする。負傷者を抱きかかえる場合は右のグレースリング側を左の赤スリング側よりカラビナ一つ分短くする。
└ハーフマストヒッチで懸垂下降する基本形(サイレント25秒)
★補助者がいるならば、もう一本のロープを使って補助者による負傷者のロワーダウンを追加する。負傷者の体重の多くをもう一本のロープが支えるので救助者の負担はかなり軽減する。
Aは補助者が操作、Bは負傷者につながる・・・★
「ロープなんか何本あったって良いじゃないか!」は先輩の言葉である。
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