« April 2022 | Main | June 2022 »

May 30, 2022

救助訓練3回を終えて(松浦寿治)

3/19ショートロープ編、4/23下降と運搬編、5/21登り返し編の3回シリーズの救助訓練(於:北横須賀・鷹取山の岩場)が終わりました。訓練内容の一部ですが次の動画を見て下さい。

雨具で背負う

ハーフマスト2回と背負懸垂

最終日の最終訓練項目は「渡渉のロープワーク」でした。「渡渉のロープワーク」は①川下からの手持ちビレー、②トップの振り子トラバース、③1/2吊り上げシステム、③懸垂下降のロープセット、④1/3吊り上げシステムによるロープフィックス、⑤セカンド以後の流星法トラバース、⑥ロープ回収 の6段階、一つ一つは単純だけれど、順を追って連続して行うのは救助訓練に初めて参加した人には難しかったようです。

難しいからと言って「渡渉のロープワーク」をまったく理解しないで、「沢登り」に出かけて行く人が多い状態を見過ごすのは問題です。「沢登り」と言わずに「シャーワクライミング」と言ってお客さんを集めるツアーが多くあります。つまり、「沢登り」イクオール「シャワークライミングor泳ぎor夏の楽しみ」と思うの方が一般的になっているのです。「冬や春に沢登りする」、「沢登りは日本固有の登山形式」、「なるべく濡れないように遡る」なんてのは理解してもらいにくいです。

最近、「マルチピッチクライミングのロープワーク」か「ロープフィックスによるアッセンダー方式」で沢を登っているパーティに多く出会います。「シャワークライミング」の方向?なのに「水流に対応するロープワーク」でないことが心配です。救助訓練がその心配を解除するための一助になってほしいものです。

救助訓練は8月を休んで、6月7月9月10月11月にも計画しています。「渡渉」を含んでたくさんのロープワークが学べます。なるべく多くの方に参加していただきたいです。

渡渉のロープワーク

ロープウェイ方式

救助訓練/ショートロープ編
スリングショートロープ、ロープのザックへのしまい方、ループの持ち方と持ち替え、登り下りトラバースのショートロープ、15mタイトロープ(岩角ビレー,待たせ方)、懸垂下降(先行,後行,2人同時)、2往復ロープフィックス、3人組(髭出し,腰引)、等
救助訓練/下降と運搬編
負傷者を背負う方法各種、負傷者を背負って懸垂下降、宙吊り者の懸垂救助、結び目通過(8環,HMS,ATC)、ツエルト担架、ザック担架、雨具担架、緩斜面流し懸垂と手摺下り、袋入れ懸垂、腰吊り懸垂、ロープ割り懸垂、15mコンテと空中懸垂、等
救助訓練/登り返し編
ビレーヤーのテンション解除と復帰、単独登攀、懸垂下降登り返し(自己脱出と仮固定),トップロープ型(ATCガイドとポロネ)、つりあげシステム(軽荷1/3~5-重荷1/7&1/1,運搬中1/2カウンター)、登り返し用意して負傷者に近付く、渡渉、合図無しの登攀、等

| | | Comments (0)

May 19, 2022

西上州・碧岩西稜 個人山行募集(M輪、I藤)

Timtamの会員対象に個人山行を募集します。

Timtamのホームページから申し込んで下さい。

<個人山行/藪岩稜登攀/三輪・伊藤ひ>
西上州・碧岩
スムーズなロープワークでいけたらと考えています。
日が長くて梅雨に入る前の今の時期を選びました。
期日 6月4日(土)
集合 下仁田駅 8時20分
集合方法(例) 東京 6時08分発 新幹線 とき301号新潟行き 高崎7時10分発下仁田行 8時15分着
行動予定  下仁田駅 ~タクシー ~三段の滝入り口 … 徒歩…西稜取り付き…碧岩…一般道 … 三段の滝入り口 ~ タクシー ~ 下仁田駅
必携用具  ヘルメット、ハーネス、ビレイ器、カラビナ類10個+HMS+環付き2本、スリング類10本、歩けて岩も登れる靴、地形図(スマホでも見れるようにしておいてください)、磁石、ヘッドランプ、昼食、水筒、着替え等、雨具
定員  2名
参加条件
・Timtam会員でTimtamの個人山行の主旨を理解している方
・参加者一人一人がコンパス(=ガイド協会のウェブサイト)を使って登山計画書を出すこと(複数枚の計画書が出来る)。
・日和田のステミングルートを登れて、松浦さんの許可がある方

22051507204631

| | | Comments (0)

May 18, 2022

N(力の単位)の誤解(杉原六郎)

Nbolt
写真左:長いボルトで正しく岩に打たれた場合→30KN
写真右上:室内壁用→15KN
写真右下:室内用なので短いネジで設置される

ハンガーボルトの強度が20KNとか書かれていたとします(Nは力の単位でニュートン)。地球上では1kg物体にはは毎秒毎秒9.8mの重力加速度がかかりますから9.8Nが1Kg重の力になります。質量×加速度=力

Kgは質量の単位でKg重が力の単位なんですが、以後Kg重をKgと書きます。

20KNつまり20,000Nは2,041Kgつまり約2トンです。ずいぶん大きな数字です。でも、それは静かに加重した場合の強度でしかないことは知っていて下さい。1秒でジワジワ加重した時に20KNならば、0.01秒の瞬間に加重した時は2000KNになります。0.001秒なら20000KNです。運動量の変化÷その変化にかかった時間=力     運動量=質量×速度

ハンガーボルトの場合、理想的に硬い岩、定められた設置方法、熟練した設置者、等の条件をクリアして強度が20KNになるのであって、現実にはその数字は得られないはずです。だいたい、ハンガーボルトの設置に熟練している人が必要数だけいらっしゃるのか疑問です。

上左写真のハンガーとボルトを買った時、それぞれは別売りでした。別売りなので、ハンガーは外岩用だけどボルトは後から買い足したコンクリート用なんていうのを時々見かけます。「柔らかい岩なので長いボルトに変えた」なんて話も良く聞きます。材質が異なる金属が雨水を介して接触すると一方の金属は電解質(イオン)になって溶けて行きます。それを電食(錆びる)と言う

岩場に打ってあるハンガーボルトの強度が20KNだからと言うことで、すごく信じて、それたった1つにセルフビレーをセットする人が時々います。ハンガーボルトが2つだったらビレーポイントにしてもOKとする人はしょっちゅう見かけます。

ビレーシステムの本質は力(ニュートン=N)でなくて、物体とカラビナの高度差によって放出される位置エネルギー(ジュール=J)をロープ、支点にかかるスリング、ハンガーボルト、人の体、等の弾力と摩擦でいかに吸収するかです(ハンガーボルトの1つや2つでなくて、たくさんの要素があるシステム)。高×質量×重力加速度=位置エネルギー  位置エネルギーを弾性のエネルギーと摩擦熱のエネルギーに置き換える

「静加重と衝撃加重の違いは」わかっていても、『ステンレスのハンガーボルトは錆びなくて、20KNの強度かあると思っている』とか『力(ニュートン)とエネルギー(ジュール)を混同している』とかの人(含:指導者&熟達者)は多いように感じています。

『この稿が、ハンガーボルトが抜ける可能性に、もっともっと、配慮したロープワークをする人を増やすことに役立つ』を願って止みません。

Naibu_20220527103601
左から 「電食したボルト」「内部の構造」「ケービング用ボルト」「内部の構造

| | | Comments (0)

エイト環0,5~2回がけ(杉原)

Eight8888
左から0.5回、1回、1.5回、2回がけ
0.5回は超太いロープに使えます。
1回は一般的なかけかたです。
1.5回は細いロープ1本で懸垂下降する時に向いています。
2回は救助の時に頻繁に使います。
エイト環はシンプルな構造ゆえに多用途なのです。

| | | Comments (0)

May 16, 2022

吊り上げシステムの提案(杉原)

吊り上げシステムの改良案です。3分の1カウンターウェイト
*実験して結果を報告していただけたら幸甚です。

K31_20220526172701
Aさん=負傷者(体重WaKg)
Bさん=救助者(体重WbKg)
青ロープ=Bさんを守るロープ(
自己脱出をセット)
F=フリクションヒッチ(マッシャーが良い)
T=逆戻り防止用タイブロック
J1=自己脱出用フリクションヒッチ(腰用)
J2=自己脱出用フリクションヒッチ(足用)
K1=上向きに折り返すカラビナ
K2=下向きに折り返すカラビナ

BさんはATCのガイドモードでロープに繋がり、自分の体重でAさんを引きます。さらにK2K1方向にロープを引き上げます(引き上げ力WcKg)。

Aさんを引き上げる力は
{(Wb×3-K1とK2の摩擦)+(Wc×2-K2の摩擦)}Kg
なのでBさんの力不足しても引き上がると予想。


◆次の図の1分の1カウンターウェイトプラス引き上げロープ2分の1は5/21に実験してイマイチでした(力がない人は上げられない)。反対に次の図のBさんに充分に力があれば、Bさんが、青い引き上げロープなしで、Aさんからタイブロックに向かうロープを引き上げればOKでした(1分の1カウンターウェイトのみということ、セットが簡単で、引き上げ時間も最短)。
Ititcw

Bさんがロープにぶら下がり体重で下に引く、さらに、BさんはロープPを引き上げる。
少し上がったらBさんは自己脱出でロープを登りフリクションヒッチを下げる。

◆下の2分の1カウンターウェイトは負傷者の所まで行けないとセット出来ないのが欠点です。5/21の実験ではDさんがECロープを引ければAさんの力が不足しても引き上がりました。Aさんに充分力あればDさんがロープを引けない場合でも上がります。どちらも、引き上げ時間もかなり早かったです。

Cw2b1
Aさんがロープにぶら下がり体重で下に引く
、さらに、AさんはロープBを引き上げる。
DさんはCEロープを下に引く。AさんはDさんより下に下がる前にFから下がるロープを自己脱出で登り返す。

以上は全てカウンターウェイト方式です。救助者が石を落とす可能性に充分注意して下さい。

| | | Comments (0)

May 09, 2022

個人山行募集 7/10(日)マスキ嵐沢(吉村)

入門の沢としても有名なマスキ嵐沢を遡行しながら、沢でのロープワークの確認を行います。
下山路も含めて、なるべくGPSに頼らない地図読みの練習ができればと考えています。
Timtamホームページの講習会予定カレンダーから申し込んで下さい。

期日 7月10日(日)

集合 秦野駅

集合方法(例)
新宿 6時50分発 小田急小田原線・小田原行き 新松田 8時16分着

行動予定 新松田駅=吉村車=大滝キャンプ場-マスキ嵐沢出合…マスキ嵐沢…権現山稜線…マスキ嵐沢左岸尾根-大滝キャンプ場
必携用具 ヘルメット、ハーネス、ビレイ器、カラビナ類、スリング類、沢登りシューズ、地形図・遡行図、磁石、ヘッドランプ、昼食、着替え等

定員 3名程

条件
(1)Timtam会員でTimtamの個人山行の主旨を理解している方
(2)参加者一人一人がコンパス(=ガイド協会のウェブサイト)を使って登山計画書を出すこと(複数枚の計画書が出来る)。
(3)日和田の一般ルートをリードでき、松浦さんの許可がある方

| | | Comments (0)

May 08, 2022

松本分校カレンダー5月(松本分校 千島康稔)

遅くなりましたが、5月分の卓上カレンダーを会員ページの「写真アップローダー」にアップしました。会員の方はご自由にダウンロードしてお使いください(会員以外への転送、SNS等での公開はご遠慮ください)

5月の写真は、5〜6年前の連休中に、山岳医療相談員のボランティアとして横尾山荘に滞在したときに撮ったものです。
背景の雪山は前穂高岳とその北尾根です。

北アルプスの桜前線はこのあと一ヶ月半ほどかけて上っていき、6月下旬に稜線にとどきます。

Tu

| | | Comments (0)

« April 2022 | Main | June 2022 »