救助訓練3回を終えて(松浦寿治)
3/19ショートロープ編、4/23下降と運搬編、5/21登り返し編の3回シリーズの救助訓練(於:北横須賀・鷹取山の岩場)が終わりました。訓練内容の一部ですが次の動画を見て下さい。
雨具で背負う
ハーフマスト2回と背負懸垂
最終日の最終訓練項目は「渡渉のロープワーク」でした。「渡渉のロープワーク」は①川下からの手持ちビレー、②トップの振り子トラバース、③1/2吊り上げシステム、③懸垂下降のロープセット、④1/3吊り上げシステムによるロープフィックス、⑤セカンド以後の流星法トラバース、⑥ロープ回収 の6段階、一つ一つは単純だけれど、順を追って連続して行うのは救助訓練に初めて参加した人には難しかったようです。
難しいからと言って「渡渉のロープワーク」をまったく理解しないで、「沢登り」に出かけて行く人が多い状態を見過ごすのは問題です。「沢登り」と言わずに「シャーワクライミング」と言ってお客さんを集めるツアーが多くあります。つまり、「沢登り」イクオール「シャワークライミングor泳ぎor夏の楽しみ」と思うの方が一般的になっているのです。「冬や春に沢登りする」、「沢登りは日本固有の登山形式」、「なるべく濡れないように遡る」なんてのは理解してもらいにくいです。
最近、「マルチピッチクライミングのロープワーク」か「ロープフィックスによるアッセンダー方式」で沢を登っているパーティに多く出会います。「シャワークライミング」の方向?なのに「水流に対応するロープワーク」でないことが心配です。救助訓練がその心配を解除するための一助になってほしいものです。
救助訓練は8月を休んで、6月7月9月10月11月にも計画しています。「渡渉」を含んでたくさんのロープワークが学べます。なるべく多くの方に参加していただきたいです。
渡渉のロープワーク
ロープウェイ方式
救助訓練/ショートロープ編
スリングショートロープ、ロープのザックへのしまい方、ループの持ち方と持ち替え、登り下りトラバースのショートロープ、15mタイトロープ(岩角ビレー,待たせ方)、懸垂下降(先行,後行,2人同時)、2往復ロープフィックス、3人組(髭出し,腰引)、等
救助訓練/下降と運搬編
負傷者を背負う方法各種、負傷者を背負って懸垂下降、宙吊り者の懸垂救助、結び目通過(8環,HMS,ATC)、ツエルト担架、ザック担架、雨具担架、緩斜面流し懸垂と手摺下り、袋入れ懸垂、腰吊り懸垂、ロープ割り懸垂、15mコンテと空中懸垂、等
救助訓練/登り返し編
ビレーヤーのテンション解除と復帰、単独登攀、懸垂下降登り返し(自己脱出と仮固定),トップロープ型(ATCガイドとポロネ)、つりあげシステム(軽荷1/3~5-重荷1/7&1/1,運搬中1/2カウンター)、登り返し用意して負傷者に近付く、渡渉、合図無しの登攀、等
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