確保支点(ビレーポイント)集(K澤)
クイックドロースリング
*支点の静加重強度は200Kg重程度
*クイックドローのそれは2500Kg重
アルパインクイックドロー
*支点の静加重強度は200Kg重程度
*アルパインクイックドローのそれは2500Kg重
伸ばしたアルパインクイックドロー
*支点の静加重強度は200Kg重程度
*アルパインクイックドローのそれは2500Kg重
2重で掛けたスリング
*支点の静加重強度は200Kg重程度
*スリングのそれは1000Kg重程度
ガースヒッチで掛けたスリング
*支点の静加重強度は200Kg重程度
*スリングのそれは700Kg重程度
支点強度が一桁小さいので、ガースヒッチの強度低下を考えてもあまり意味がない。
倉澤さんに送っていただいた、確保支点集プラス、山行の折々に撮った確保支点集です。漸次追加してページごと更新して行きます(更新はTimtamホームページ下段の掲示板でお知らせします)。
写真をクリックすると拡大します。
労山と広瀬ガイドが協力して設置した日和田の支点(ラッペルステーション)、さらにSガイドが他の支点とワイヤーで連結して抜群の強度となった。丸いリングはロープを通す所なので、カラビナをかけるのはなるべく控えたい。
イマイチのトップロープの支点
クライミングロープが岩角で擦れているので、あと40センチほど伸ばして岩角の下に出したい。支点が2ヵ所なので3ヶ以上にしたい。
トップロープの支点、シングルピッチ岩場の終了点
クライミングロープが岩角で擦れないように設置する。
左:good 右:ロープが痛む
終了点を空けてクワッドアンカー原型でトップロープセット、原型はまだクワッドではなくてツインアンカー
ハンガーに鎖をかけた終了点、一般的な終了点での結びかえが出来ない。
カム(キャメロット0.5番)による滝登りの中間支点
カムを奥に入れすぎたので、回収出来なくなる可能性有(実際は回収出来た)。
メインロープによるクローブヒッチ連結1
速攻で支点が作れますが、つるべ方式で登る時にしか使えません(万年セカンド方式では使えない)。支点3ヶ以上を推奨します。こちらを見て下さい。
メインロープによるクローブヒッチ連結3
その場にあるハーケンは全て連結してしまうくらいが良いです。
流動分散方式
力が均等に分散する。作りやすいので普及している。作り方はこちらを見て下さい。支点2ヶの流動分散でOKとする人が多いですが、支点が抜けた経験がある筆者は、支点3ヶ以上にすることを推奨します。こちらを見て下さい(再掲)。
間違えた流動分散方式
スリングをひねらずにカラビナをかけてしまった例(支点が一つ抜けると全部破壊する)です。
流動分散から固定分散に移行
クローブヒッチやエイトノットで流動部分を結ぶ。
メインロープによるクローブヒッチ連結をプラス
支点を3個以上にして、確実性を増す。
支点3個で流動分散を作る(万年セカンド方式で使える)
作り方はこちらを見て下さい。
フリクションヒッチを使って3点に均等に加重(3点分散)
フリクションヒッチの作り方はこちら(動画)を見て下さい。
黄色ロープで流動分散を作り固定分散に移り、さらにフリクションヒッチを使って3点に均等に加重(3点分散)(万年セカンド方式で使える)
結び目にカラビナを挟むとほどきやすいですこちら(動画)を見て下さい。
クアッドアンカー(万年セカンド方式で使える)
作り方はこちら(動画)
*支点2ヶでOKにする方がいますが、支点3ヶ以上を推奨します→こちらを見て下さい。
全部60cmスリングで固定分散を作る(万年セカンド方式で使える)
上:ガースヒッチでつなぐ 中:カラビナに巻く 下:何もしない60cm
*クラシックルート(ハーケンで引かれた人気のマルチピッチ)に行くにはぜひ身につけていたい基本形
熊より大きい岩を支点にする(沢登りで多用される)
ガースヒッチについての考察をごらんください。→こちら
腕より太い生きた樹木を支点にする1(沢登りで多用される)
ラウンドターンが基本、ガースヒッチを使う場合もある。→こちら
腕より太い生きた樹木を支点にする2(沢登りで多用される)
ロープの片側を引いて回収出来るようにセット
腕より太い生きた樹木を支点にする3(沢登りで多用される)
岩登りの場合は岩場にある樹木は貴重なので「腕より太い生きた樹木を支点にする1」のようにスリングや捨て縄を施すことが推奨される。
灌木をフリクションヒッチを使って連結する(沢登りで多用される)。
岩と岩の接触部分を利用する(沢登りで多用される)。
この写真は2段の滝登りの1段目上がった所の中間支点
懸垂下降の捨て縄左:懸垂下降の支点の三角形にセット(ロープを回収しやすくするため)
右:危険!誤った使い方(左のハーケンが抜けたら全体に破壊する)
*ロープの回収時に摩擦熱でスリングが痛んでいる可能性があるので、1回しか使えない(残置は使えない)。
灌木を中間支点にする(短動画8秒)
火山岩の岩ノブを中間支点に(短動画17秒)
<参考1>
カラビナバッチマン
カラビナバッチマンからバッチマンに移行
プルージック
<参考2>
右写真は多くの人が懸垂下降している某人気ルートの支点です。ハンガーはたぶん室内用のジュラルミンです。ボルトの設置方法は不明です。「中でクサビが開くタイプなのでしょうか?」もしかしたら「穴をあけて、ネジ込んだだけ」かも知れません(岩が柔らかい溶岩なので,ネジを切って進むタッピングネジでなくても,ネジ込めてしまう)。外岩に設置されている支点でそれがハンガーボルトなら30KNに近い強度があると考えてはなりません。ビレーポイントや懸垂ポイントを作る場合、ハンガーボルト2個でOKとするのでなくて、ハーケン・カム・自然の岩角・灌木などと連結してなんとか3個以上にすることを推奨します。
左写真:現在のボルト→マニュアルに従って設置(固い岩に,規定の径の穴をあけ,粉を噴き出して,規定の接着剤を入れ,ボルトをしめて中のクサビを開く)されていれば30KNの強度が出る。ネジの締まり具合でクサビが開いているか確認出来る。ハンガーとボルトは同じ材質のステンレス。
右写真の左:中の状態が外観では確認できないボルト→たぶん中でクサビが開くタイプ。
右写真の右2個:電蝕したボルト→ハンガーとボルトの材質が異なるので,両者の接合部で電流が発生,腐蝕してしまう(電蝕=錆び)。
*写真をクリックすると拡大します。
<参考3>
ハーケンが効いているかを確認するのに、ピンチェックという方法があります。ハーケンの頭をハンマーでたたいて音を確認し、「キンキン」という高い金属音なら効いていて、「ボコボコ」とか「ボスボス」いう感じの低音なら効きは疑問である、といったふうに耳で感じる方法です。→こちら(動画)
<参考4>
ハンガーボルトが効いているかを確認するにはレンチを持参して、ネジを試すように締めてみます。
<参考5>
ネット上でアプローチ,ルート図,山行記録が簡単に手に入るようになっています。表丹沢の沢数本、西丹沢の沢数本、日和田・つづら・三つ峠とトレーニングを行ってから本番ルートに行くなんて手順を踏まずに、シングルピッチ岩場ゲレンデに数回行ったら、いきなり本番ルートに行ってしまう例が頻繁です。ルート間違えが予想されます(誤りルートは支点が脆弱で落石が多い)。 ルートを間違えなかったとしても、雨・風・雪・流水・地震などにさらされ続ける、本番ルート(沢登り含む)の支点は抜けてあたりまえです。そこにある確保支点にさらにバックアップを加えることをいつも行うぐらいで良いと考えます。ロープワークの中心的な(半分以上を占める)要素が支点構築にあるのです。
幕岩悟空スラブの終了点、工業用のボルトを使用していて、3箇所で固定、電蝕している、ものすごく多くの人が使っている。カラビナは接着剤でゲートが開かないように糊付けされている。
一ノ倉6ルンゼ懸垂2回目用支点(静加重でそっと懸垂するしかないけど?)
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