8月24日の神奈川県地方の予報は曇りで夜から雨でしたが。前夜から早朝まで雨が降り続いていたので、
早朝に中止が決定されました。参加メンバーはすいていることで有名な北越谷のミストラルという人口壁に行きました。
夜は恵比寿区民会館で机上講座です。例によりましてレジメを掲載します。二つあるので長いです。(J記)
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机上講座 セルフレスキュー入門
1、私の経験したアクシデント
18歳…手のささくれ、下痢、捻挫、むくみ、バテル、ホワイトアウト、 19歳…風邪、パーティの分裂、深い切り傷、 20歳…滑落 男女間のトラブル、 21歳…日焼け、雪目、死体の搬出、
33歳…時間切れビバーク、 34歳…ヘリコプター救助(東尾根)、 35歳…夜間登攀、36歳…
ヘリコプター救助(尾瀬)、 37歳…ヘリコプター救助(甲斐駒)、 38歳…スキーでの骨折、
39歳…吾妻の遭難、 40歳…全身虫さされ、 41歳…T君の遭難、42歳…右膝を痛める、
43歳…なげ縄をして脱出、44歳…雪崩に流される、 45歳…老眼の進行、富士山で人が飛ぶ、
46歳…岩石雪崩、ルート間違えトランシーバー大活躍、 47歳…源治郎尾根バテバテ事件、
48歳…動く岩に乗って指を切断しそうになる、 49歳…増水で尾根に脱出 50歳…源治郎尾根重量オーバーで撤退、 51歳…頚椎症、携帯電話救助、 53歳…長雨でグレードの上がった大常木沢
54歳…豆焼沢の擬似晴天
2、アクシデントの現場で
落ち着いていますか?そこは安全な場所ですか?
長いスリングのこと、背負って下る方法各種、ツエルトのこと
3、事故発生の連絡を受けたら
ノートを一冊用意しましょう。リーダーシップを委譲出来る人が来るまではリーダーシップをとり続ける。
4、心がまえ
シーアップの考え、山といい関係であればそれでいい、出来ることと出来ないことのバランス、ゆるやかなカーブでのレベルアップ、連れて行く連れて行かれる山は講習会のみ
5、保険のこと
高額の補償はない、だれが保険をおろす、自己責任
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岩登りで体をこわさないための十箇条
岩登りの技術(ロープワーク含)は私達登山者が野に山にある人の管理から離れたフィールドに出かけて行くことを可能にしました。その技術は自分で自分の安全をセット出来ます。橋が落ちていても、道が崩れていても、道なんかなくても、絶壁を越えあるいはクレバスを突破して進んで行けるのです。私は多くの先輩達が「岩登りは登山の基本である」としたことに大きく同意しています。
1990年代後半あたりから、いつのまにかそのような冒険的な岩登りは忘れられる方向に向かいました。室内クライミングジムで分厚いスポンジマットに守られたボルダリングに没頭する人や、クライミングジムでトレーニングして外岩の講習会に参加したり、一の倉の南稜&中央稜とか剣のCDフェース・北岳バットレス四尾根・ミディ南壁といった人気ルートのガイド登山に参加することをよくする人が増えてきました。そして、そのような自分で自分の安全をセットしていない岩登りの流れに乗って、行き過ぎて、体や心をこわす人も多くみかけるようになりました。
岩登りで体や心をこわすことなどないこと、そしてもちろん岩登りによる遭難など皆無であることを祈念して以下の十か条を提案します。今後、補足や修正を加えて行きたいと考えていますのでご意見をおよせ下さい。
1, 月に一回は岩登り(できれば自然の岩場)に出かけよう。
何ヶ月も岩登りをしないとこわさが先に立って思うように動けない。岩登りの体の動きは定期的にトレーニングして身に付くもの。一~ニ回の岩登り経験で縦走路に出て来る岩場が楽に通過出来ようになるなんてわけがない。
2,週に二回までしか岩登り(人工壁含む)をしないようにしよう。
週に三回も岩登りすると腱や筋肉の回復が追いつかず炎症が慢性化する。人口壁のボルダリングに没頭しても自然の岩場で通用するようにはならない。
3,三回続けて休日に岩登りに出かけたら四回目の休日は歩きに行こう。
岩登りのような無酸素運動ばかりでは体中の新陳代謝が不足して不調になる。山で長時間歩くことの喜びを知っている登山者になろう。
4,同じ課題に一日に四回トライしたら別の課題に移ろう。
何回も同じ動作をすると一カ所の筋肉や腱にストレスが集中してそこを痛めてしまう。半年以上も同じ課題に取り組んで、やっと出来てもまた次の課題があってそのくりかえしでは心が解放されない。
5,ボルダリングよりルートを目標にしよう。
ボルダリングはかっこいいけど怪我しやすい。マット上とはいえボルダリングは落ちる(飛び下りる)、落ちる衝撃をくりかえせばいずれ骨格と関節のシステムに損傷を与える。腰椎症、頸椎症、捻挫、などが起きれば数ヶ月を待たないと回復しない。ルートで落ちてもロープとハーネスに柔着陸するからダメージは少ない。さらに、外岩のボルダリングの安全システムはかなり不完全なもの。ボルダリング中心主義はクライミングジムの営業戦略の部分あり。
6,上手な人(会員外)の前では無理しないようにしょう。
教えてくれる上手な人には感謝しつつ、でもその人に取り込まれないようにしよう。岩登りの場合は天性の才能を持っていて上手な人が多い(山スキーや沢登りや雪山歩きなどと違い経験より才能がものをいうジャンル)。それで、上手な人はその教える人の体がこわれることまで考えられないタイプの人が多い。天才の弟子になれば体をこわす(弟子が天才の場合を除く)。「うまい人と登ればうまくなる。へたな人と登ればへたがうつる」それは正しいことだろうけれどそんな世界に入ってほしくない。
7,後輩を自分の所まで引き上げないようにしよう(上記6の反対)。
引き上げるのは講習会だけで充分、後輩の所に下がって共に学ぶようにしなければ後輩の体をこわしてしまう。山の仲間は意識して作らなければいなくなる、それほど登山人口も岩登り人口も多くはない。
8,安全は複数でとる。
指差して確認、エイトノット、ハーネスの折り返し、ビレーシステム、ビレーポイントでのセルフビレー、トップロープの支点、・・・など、しつこいくらいにバックアップをとる。手打ちのボルト一本にセルフビレーをとる危ない人が多い。
9,静加重静移動が基本。
自然の岩場は風化によってつねに崩壊している。体重を静かに充分に移動して確かめて立つ、確かめて持つ。十分に体重を移動していないから滑るのだ。「三点確保していれば安全だ」という言葉は暗示にすぎない。
10,数字で書かれたグレードを追いかけないようにしよう。
5.12が登れる人にあこがれ、5.8が登れない人を見て安心するなんてことがないように努力しよう。今、5.11が登れても、2週休めば登れない。困難さのグレードを追うのでなくて、インタレストグレードの高いルートの発見を目指そう(自分にあったの三つ星ルートを探そう)。
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